第48話ほしぞら➄

がっこうがおわって


オレたちは いそいでかえって おこずかいをもって


バスていに いった。



かあちゃんたちにいうと


たぶんびょういんにいくなっていわれるから


ないしょでいくことにしていた。


このへんで大きなびょういんといえば


中おうびょういんしかないから


まーくんがにゅういんしているのは ぜったいそこのはず。


中おうびょういんまでは バスでだいたい20ぷんくらい。


オレは なんどかいったことがあるから


バスていも しっている。



俺たちは きたバスにのりこむ。


大人が なん人かのっていて オレたちより すこし大きい 


こどももいた。じゅくへいくのかな。



ふたりがけのざせきに かずくんとならんで すわった。


かずくんは りょう手をひざのうえにかさねて ぎょうぎよくすわっている。すこしきんちょうしているみたい・・・。



「さとちゃんって、びょういんいったことあるの。」


「あるよ。けがして、なんかいかいったことある。」


「バスでいったの。」


「けがしたときはくるまでいったけど、そのあとの ばっしのときとかは、バスでいったよ。」


「それならあんしんだ。」


「かずくんは、中おうびょういんいったことある?」


「あるけど、ほいくえんの年少ぐみのときだから、あんまりおぼえてなくて・・・。」



すこしだまってから


「まーくんにあえるかな・・・。」


ってかずくんがいった。



「くるしんでいたら、どうしよう。」



「・・・あえるのかな。」



「まーくん、だいじょうぶかな・・・。」



また


かずくんのあたまのなかは まーくんのことでいっぱいになった。


かずくんは ほんとうにまーくんのことが しんぱいなんだ。


オレは


「どうして、そんなにまーくんのことしんぱいするの?」って


ついいってしまった。



え・・・ってかおで かずくんがぼくをみる。


「だって・・・ともだちだから・・・・さとちゃんだってしんぱいでしょ?」ってかずくんがいうから


「もちろん!」ってってこたえたけど


かずくんのしんぱいのどあいが すごいんだってことなんだよ。


まるで


とうちゃんやかあちゃんが にゅういんしたときみたいなしんぱいのしかたじゃない?


オレだってまーくんのこと しんぱいだけど、


まーくんはともだちで


かぞくじゃないから



・・・・



なんかうまくいえないけど


そんなにしんぱいしてもらうまーくんが すこしうらやましかったのかもしれない・・・。


かずくんはオレがにゅういんしても こんなにしんぱいするのかな。



そんなことをおもっていたら


そういえばまーくんは かずくんののこしたきゅうしょくを あたりまえのようにたべているよな・・・っておもいだした。


ともだちどうしで そんなことするこは あんまりいない。



でも



かあちゃんは オレののこしたおかずを ふつうにたべる。


かずくんとまーくんは かぞくなのか?


オレは どうしてまーくんが かずくんののこったきゅうしょくを 


たべるのか きいてみたくなった。



そしたら


なんにもきいてないのに かずくんが


「ぼくさ、きゅうしょくのじかんが、きらいだったんだよね・・・。」


ってはなしはじじめた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る