第49話ほしぞら⑥
「ぼくさ・・・きらいなたべものおおいし、、すぐにおなかがいっぱいになるし たべおわるのもすごくおそくて、きゅうしょくのじかんがだいきらいだった。」
かずくんがしずかに はなしはじめた。
オレがいま きゅうしょくのことを かんがえていたら
かずくんが こたえてくれた。
どうして こんなふしぎなことが おきるんだろう。
オレ、こえにだしていっちゃったのかな?
「それで、かんがえて、ほいくえんのころだけどね、
テーブルのまえに すわってるこのまねをして たべようとおもって、そのこが ごはんたべたら、ぼくもごはんをたべて
そのこが みそしるのんだら、ぼくものむってしてたの・・・。」
かずくんが ちょっとオレのほうをみてわらった。
「そしたらさー、そのこが、おかずなんにもたべないで、ごちそうさまになったら、すーっと おかずのおさらを まえにおしだしたんだよね。おおく くばって おかずがあまったみたいにさ・・・。」
「いくら、ちいさいからって、おかずが ひとつのテーブルにふたつのこってたら おかしいってわかるよ。だからぼくは、おかずのおさらをまえに おしだすことができなくて、また、ひとりのこっちゃって・・・。」
「ないたんだよね・・・。そしたらさ、まーくんがきて、”おっせーな”って ぼくのおかずたべてくれたんだよね。手で・・・。」
そこでかずくんは クスって すこし大きくきくわらった。
「ガツガツって、すごいいきおいで手づかみで・・・。」
どんなおかずだったんだろう。でも ほいくえんの子って
手でもたべるっけ?
そんなまーくんをそうぞうして オレもちょっとおかしくなった。
「おかげで、ぼくは おかずを たべないですんで、きゅうしょくも
おわって、みんなといっしょに ひるねにいけたんだ。そしたらね、まーくんが、”あいつ、おかずのこしてずりーな”っていったんだ。
みてたんだよね。ぼくがまねして たべてるのも、
ぼくがまねしてたこが おかずをまるごと のこしたのも。」
「だから、ぼくは、まーくんが だいすきなの」
かずくんがオレをみて にっこりわらった。
きゅうにはなしが「まーくんだいすき」でおわっちゃったけど、
それから、まーくんが かずくんがたべられないきゅうしょくをたべるようなったんだね。
かずくんにとってまーくんは おんじんってことなんだろう。
バスのアナウンスがながれて、次がちゅうおうびょういんだ。
オレたちはチャイムをおして さいふからバスだいをだした。
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