第42話 すんだくうき(ハロウィンパーティー②)

6年生のきょうしつにいくと


もうろうかから まどにくろいかみが はってあって


うすぐらくなっていた。


やっぱり なん人か人がいたけど


なんだかにぎやかだ。


ちかづいてみると


じゅんくんが6年生のおねえさんたちと


はなしをしている。



「あ、かずくんだ!」


じゅんくんといっしょに はなしてたおねえさんが いった。


マラソン大会で じゅんくんとチューしたことで


かずくんは けっこう ちゅうもくされるようになった。


「おーちゃんとまーくんと いつもいっしょだね。」


おかげで オレたちもすっかり なまえがしれわたった。



「ねえ、じゅんくんがおばけやしき はいらないっていうの。かずくんがさそって いっしょにはいろうって いってよ。」


っておねえさんがいった。


どうやら、じゅんくんは おばけやしきが にがてで、いっしょにきたともだちだけが、はいったらしい。


でも、6年生はどうしても 


じゅんくんに はいってもらいたいといっていた。



じゅんくんは くろいビニールでマントをつくって


かっこよく はおっていた。


じゅんくんはもてるんだ。



はきはきしていて


だれとでも はなしができるし


せいぎかんもつよいし


スポーツもとくいだし


おんがくもとくいだし


かおも まあまあ かっこいいし


てんこうせいだし・・・。



・・・でも、おばけやしきがこわいんだ・・・。


じゅんくんのよわみをみつけて


オレはちょっとうれしかった。



「かずくんとだったら、はいれる?」


「ねえ、わたしたちが手をつないであげるから いっしょにはいろうよ!」


おねえさんは なんとかじゅんくんを おばけやしきにいれようと、かずくんをさそった。


「わたしたちと、かずくんたちと みんなではいればいいでしょう。」


「わたしが、じゅんくんと手をつないであげる。」


「わたしも」


おねえさんたちはどうしても じゅんくんに 


おばけやしきに はいってもらいたいんだ。


6年生のおにいさんが


「だめだよ、6年生がいっしょにはいったら!


いっしょにいって ネタばらししたら、こわくないじゃん!」


っていった。



「じゃあ、1年生のオレたち4人ではいろうよ。」


オレはあるかんがえがひらめいた。


おーちゃんにこっそり


「4人ではいってじゅんくんをおいてにげない?」っていった。



だってハロウィンだもん。


すこしくらいいたずらしてもいいんじゃない?



「・・・やってみる?」おーちゃんがさんせいした。


オレはかずくんにもこっそりそういった。


「え・・・。」


かずくんはすこしおどろいたけど


「・・・・わかった。」ってさんせいした。



じゅんくんは5年生のおばけやしきにもいってないといった。


「ぜんぜんこわくなかったよ。だからここもだいじょうぶ。」


「オレたちがまもってやるから。」


オレたちは いっしょうけんめい じゅんくんをさそって


ようやく 


いっしょにおばけやしきに はいることになった。


じゅんくんより オレのほうがつよいみたいで うれしかった。



オレとおーちゃんが まえになって


かずくんとじゅんくんが オレたちのうしろから あるいた。


かずくんが オレのせなかにぴったりくっついて


じゅんくんは そのかずくんにぴったりくっついてる。



6年生のおばけやしきは


まどにも くろいかみがはってあって うすぐらくなっていて


くものすみたいなかざりがあったり


つうろも めいろみたいにしてあって


5年生のおばけやしきより おばけやしきっぽかった。


はじめのおばけが


「ハッピーハロウィン!」ってとびだしてきた。


「うわーーーー」じゅんくんが おおきなこえをだして


かずくんにだきついた。


かずくんも それにびっくりして「ひっ・・・」とこえをだした。



「いつににげる?」


オレは すごくちいさいこえでおーちゃんにいった。


「あんまりすすむと じゅんくんもなれて こわがらないかもだから


つぎのおばけがでたら・・・・。」


っていったとき


「ハッピーハロウィン!」


ってつぎのおばけがでた。



「にげろーーーー!」


オレはそういってはしった。


おーちゃんもはしった。


「うわーーーーー」ってじゅんくんのこえがきこえた。


オレたちはおばけやしきからにげだした。


やったー!


大せいこう。


・・・・・


とおもったら


かずくんがいない!


「あれ、かずくんは?」


「え、まーくんといっしょじゃなかったの?」


「ええっ!おーちゃんが手をつないでくるとおもった!」


たいへんだ。


じゅんくんだけおいてこようとおもったら


かずくんまでおいてきちゃった。


「もどる?」


「どうする?」


ってまよってたら、


「じゅんくんとかずくん おいてきたんだね!いけないんだ!!」


っておねえさんたがいった。


わーどうしよう・・・!!



すこしすると


かずくんとじゅんくんが 


ならんで おばけやしきからでてきた。


「にげるなんて ずるいじゃないか!」


オレたちをみて じゅんくんがおこっていった。


めがまっかで


ぜったいないたんだ・・・わかった。


かずくんも・・・なきそうなかおをしていた。


だけどふたりとも手にたくさんキャンディーをもっていた。

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