第39話 すんだくうき (よこうれんしゅう)

あれから


なん回か かずくんちで 大だいこのれんしゅうをした。


ひる休みも 先生といっしょに れんしゅうした。


ときどき まちがえるけど


オレは 大だいこが だいぶうまくなったとおもう。


きょうは おんがくはっぴょうかいの  よこうれんしゅう。


一年生は ずこうでつくった ハロウィンのいしょうをつけて


がっそうと うたと げきが まざったような はぴょうをする。


げきのせりふは すこしだし


かずくんとおーちゃんとおそろいの いしょうのおかげで


いっしょにセリフをいうから ちょっとたのしい。



そのあと


うたをうたって がっそうをする。


がっそうは やっぱりすこし きんちょうする。


だから きょうは すこし まちがえてしまった。


・・・・ああやちゃった・・・。


でも とちゅうから またあわせることができたから 


すこしほっとした。


れいをして


ステージからおりるとき


小だいこの まちこちゃんが


あるきながら


「まーくん、まちがえないで!わたしとってもやりづらいの!わたしまで まちがえたじゃん。」


っていった。


え・・・っておもったけど オレがまちがえたのは ほんとうだから


ごめんって いおうとしたら


ほかの女子が


「そうよ!まーくんは いつもまちがえるんだから。」


っていってきた。


ステージをおりると


またほかの女子もきて


「まーくんはへたくそなくせに 大だいこに りっこうほするから 


わるいんだ!」っていった。


・・・そんなにいわなくても・・・・。


ぼくはちょっと なみだがでそうになった。



そしたら


かずくんがとんできて、


「まーくんが、まちがえたのと、まちこちゃんが まちがえたのは かんけいないだろ!」っていった。


「まちがえたのを ひとのせいにするな!」


「そうっやって、まーくんをいじめて いじわるなやつ!」


「そんなことばっかりいうから いじめがなくならないんだ!」


って ちょっとびっくりするくらい おこったこえで


女子たちにいった。


かずくんにおこられて


まちこちゃんがないた。それで女子たちが またさわいだ。



ステージの台のかたづけをしていた先生が


「さわがない!しずかに ばしょにもどって!」


と ステージの上から  いったのがきこえた。



それをきいた じゅんくんが かずくんに


「しずかにしなよ!かずはかんけいないだろ!」っていった。


「かんけいなくない!まーくんが 女子にいじめられたんだから」


「いじめたのは かずだろ!まちこちゃんないてるじゃん!」


「さきにいったのは 女子だ!」



どっちがさきだったか わかんないけど


かずくんが じゅんくんをおして


じゅんくんも かずくんをおして


ふたりで けんかが はじまりそうだった。


オレはハラハラした。



つぎの出ばんをまっていた 3年生の先生が


ふたりをとめた。


1年生の先生もはしってきて


かずくんとじゅんくんが ろうかのほうへ つれていかれた。


オレたちは


1年生のばしょにもどって つぎの学年のはっぴょうをみたけど


かずくんたちが どうなったのか すごくしんぱいだった。


かずくんは オレをまもってくれたんだ。


そうおもうと ますます、しかられていないか しんぱいになった。


すこしすると


せんせいが オレとまちこちゃんをよんだ。


ろうかにいくと かずくんとじゅんくんが ならんでたっていた。


かずくんはまっかな目をしていた。


すごくしかられたのかな?


オレはむねがギューとした。



まちこちゃんも すごくしんぱいしてたみたいで


じぶんが 大だいこがまちがえたことに もんくをいったとはなして


「ごめんなさい」とあやまった。


オレも、もともとはオレが 大だいこを まちがえたからだと


あやまった。


先生が


「あいばくんは いっしょうけんめい れんしゅうしいたの・・・・。」


って オレががんばっていたということを はなしてくれた。



オレたちは


先生といっしょに 体いくかんにもどった。


かずくんとならんであるいてたら


かずくんがちいさなこえでオレに


「・・・こめんね・・・。」


っていった。


かずくん、あやまらないで・・・。


オレは


かずくんが オレのみかたをしてくれたことが とてもうれしかった。


だからかずくんに


「ありがとう」っていった。


かずくんが オレをみてわらった。



オレたちは しずかにじぶんのばしょに もどった。


おーちゃんが


こそこそっと かずくんのそばに いくのがみえた。



よこうれんしゅうが おわった。


かずくんとおーちゃんは けんばんハーモニカをかたづけていた。


オレは おーちゃんのところにいって


「さっき かずくんと なにはなしたの?」ってきいた。


おーちゃんが まじめなかおでオレをみて


「オレも 女子がわるいとおもってたけど、いえなかった。


かずくんが いってくれて よかった。でもおかげで かずくんが  しかられちゃったから、かずくんにあやまった。」


そして


「まーくん、オレも かずくんといっしょに たすけてあげたかったけど、ごめん!!」


っておーちゃんはオレにあやまった。



まちがえたオレが わるいのに


なんだか みんなにあやまられて


ちょっと へんなきぶんだった。


ほんとうは オレがあやまらなくちゃ だめなんじゃないか?


かずくんも かたづけがおわって


オレたちのところに きたから


オレは「なんだかみんなにあやまられて はずかしい。」


っていった。


でも、オレは


かずくんとおーちゃんがオレのみかたをしてくれて うれしかった。


かずくん、おーちゃんだいすきだ。


そしたらおーちゃんが


「じゅんくんもあやまったの?」


ってきいた。


「ぼくにはあやまったよ。」


かずくんがいったけど


オレは、あやまられてない・・・。


「でも、じゅんくんは、もともとなんもかんけいなくない?」


ってかずくんがいった。


それもそうだ。


でも あんなにおおさわぎになったのは


じゅんくんのせいなんじゃない?っておもわなくもないけど・・・。



「よし、ほんばんはがんばるぞ!」


オレはちからづよくいった。


「うん、がんばって」


かずくんもいった。


おーちゃんが にこにこわらった。


ほんばんのはっぴょうかいは


まちがえないように、きょうもれんしゅうしようとおもった。


「今日も、れんしゅうする?」ってかずくんがきくから


「もちろん!」ってこたえた。

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