第33話 あきかぜ
ひる休み、
ぼくはさとちゃんとまーくんとグランドにいった。
あさ、む口だったさとちゃんだけど
もう いつもどおりだった。
もともと さとちゃんは あんまりしゃべらないから
さとちゃんが ずっとだまってるとおもったのは
ぼくのきのせいだったのかもしれない。
グランドを はしったしゅうだけ グラフがのびるから
20ぷんやす休みや ひる休みは はしる子がおおい。
まーくんはいつも はりきってはしるんだけど
きのうかぜで休んだばかりなので
きょうはおかあさんに
はしらないようにいわれた、といってはしらない。
さとちゃんが
なんとなくさくらの木のほうにあるくので
ぼくとまーくんもついていくようにいっしょにあるいた。
ぼくはグランドのさくらがきらい。
さくらの木の下に したいがあるといって ほろうとしたら
さくらがおこって
こわかったから・・・。
さとちゃんもまーくんも
ぼくがさくらの木がきらいなことしってるのに・・・。
さとちゃん
やっぱり、なにか、おこってる?
さくらの木はグランドのはじのほうにあって
きょうみたいにみんながはしってるときは
ここにはだれもこない。
そういうのもなんだかこわい。
きょうはすこしだけかぜがふいている。
グランドはいつもかぜがふいているきがする。
「あー、オレもはしりたい!」って
むこうで はしってるみんなをみながらまーくんがいった。
ぼくははしるとおなかがいたくなるから
はしらないのはうれしいけど・・・。
「まーくんは はしるのはやいし すきだもんね。」
ってぼくがいったら
さとちゃんがきゅうに
「ねえ、かずくん・・・」っていった。
きゅうによばれたからドキッとした。
「じゅんくんとキスしてどんなきもちだった?」
ええっ・・・またそのはなし・・・?
みんなにちゅうもくされていやだよ・・・っていおうとしたら
「女子がファーストキスとかってさわいでたじゃん・・・キスってどんなきもち?」
どんなきもち・・・って・・・
「どんなきもちもないよ。ただキスしたんだなとおもうだけ。」
ぼくはそういった。
さとちゃん、なに?
キスにきょうみあるの?
そしたらさとちゃんが
きゅうにぼくにちかづいて
きゅうにチュッって
ぼくにキスした。
「え」ってじゅんくんとキスしたときみたいに
ぼくはかたまった。
さとちゃん・・・・!!!???
「ほんとだ・・・。」
ってさとちゃんがいった。
「ほんとに、ただキスした・・・・ってかんじなんだね。」
え、どういうこと?
キスしたときのきもちが しりたかったの?
だって、さとちゃん
キスってすきになった人にするから
すきってきもちになるんでしょ?
ぼくとじゅんくんみたいに
ぶつかってまちがってキスするなんて
なんのきもちもないよ・・・。
でもぼくは
じゅんくんとぶつかって キスしちゃったときと
いま さとちゃんとキスしたときと
ちょっとちがうきもちがした。
こまったみたいなきもちじゃなくて・・・
こまったきもちがぜんぜんわかない・・・。
そしたら、まーくんも
つぎはオレ・・・みたいなテンションで
ぼくに
チュッって
キスしてきた。
え、え、なに!!!
ふたりとも・・・!!!
「たしかに~!なんでもないね!
なんで女子はキスがいいんだろう。」
まーくんがそういったら
なんだか きゅうにおかしくなって わらった。
「キスなんてなんてことないな!」
ってまたまーくんがいって
三にんでクスッってわらった。
たしかに
なんてことない・・・。
だけど
さとちゃんとキスしてちょっとうれしかったかも・・・。
まーくんとのキスもたのしかったかも・・・。
きっとぼくたちがなかよしだからだ。
さとちゃん、ぼくとキスしてなんたことなかった?
まーくん、ぼくとキスしてなんてことなかった?
ぼくはちょっとうれしかったよ・・・。
そうおもうと
ぼくがじゅんくんとキスしちゃって
女子がおこるのもわかるきがした。
かぜがそよそよふいて
さくらのはっぱがさわさわゆれた。
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