第25話 むしとり
うしろの木のかげに
大きなおとこの人がいた。
オレたちとおとこの人はおたがいにかおをみた。
そして
「なんだかとおもった!びっくりした!」
っていった。
オレのとなりにいたかずくんが
へなへなとすわりこんだ。
まーくんが
「かずくん、だいじょうぶ!?」っておどろいていった。
「ごめん、大きなこえだして。びっくりしたよね。オレもおどろいた。
こんなとこで、なにしてるの?・・・・ってむしとりか。だいじょうぶ?こしぬけた?・・・わ!カブトムシ見つけたんだ!」
おにいさんがカブトムシにちかづく。
そして木からゆっくりカブトムシをつかまえて
オレたちのほうへもってきてくれた。
「ひっ・・・・」
かずくんがのどにたべものがつまったときみたいなこえをだした。
「え、だいじょうぶ?きみ?」
っておにいさんががしんぱいしてくれたけど
その人がカブトムシをもってるから
かずくんは
「ひぃ・・・・・・」ってへんなこえをだして
オレの足につかまった。
かずくんはカブトムシもこわいんだ。
かずくんのまっ白いかおがなきそうになってる。
オレはしゃがんで
すわりかんでいるかずくんをまもるようにぎゅってだいた。
まーくんも
かずくんをまもるようにしたから
オレたち三人がだきあってるみたいになった。
おにいさんが
「そんなに、こわがらないでよ、オレそんないこわいかなぁ~」
って
ちょっとこまったようにわらっていった。
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