第16話 あめのまえあめのあと

ぼくは こうえんにいった。


さとちゃんもまだきていない。まーくんもきていない。


そらは はいいいろのくも。


このこうえんにも カエルがいるかもしれない・・・。



すこしすると


さとちゃんがきた。



ぼくとさとちゃんはブランコにのったり


すべりだいをこうそくですべったりしてあそんだ。


のどがかわいたらこうえんのみずをのんだ。


まーくんはやっぱりこなかった。


さとちゃんとふたりでおにごっこをしたけど


あんまりおもしろくなかった。



そらのくもがだんだんくろくなってきた。


あめがふりそうだね。


どうする?かえる?


そんなはなしをしていたら


きゅうにあめがザーーってふってきた。


すごいあめだ。



ぼくたちはゆうぐのトンネルの中にひなんした。



トンネルの中で


ぼくとさとちゃんはならんですわった。


すごいおとでザーザーふるあめ。


あそんでいたほかのこたちたははしってかえった。


ぼくもさとちゃんもだまってすわっていた。


あめにかこまれたトンネルはジャングルのどうくつのよう・・・。



どうくつの中で


ぼくは こうえんにこなかったまーくんのことをかんがえた。



まーくん、おこってるのかな・・・。


それとも、めがみえなくなったのかも・・・。


おいしゃさんにいってるのかもしれない・・・。


ぼくはなんだかとてもしんぱいになった。


・・・・


まーくんがぼくとあそんでくれなくなったらどうしよう・・・。


まーくんとあそべなくなったらどうしよう・・・。



そしたら


さとちゃんがぼくの手をぎゅってにぎってくれた。


「雨、こわいの?」


ってさとちゃんがきいた。


「ううん、こわくないよ・・・そうじゃなくて・・・。」


だけどぼくはじぶんの気もちをどういっていいのかわからなくて


そのままだまってしまった。


さとちゃんもだまったまま、ずっとぼくと手をつないでくれた。



さとちゃんは


いつもぼくがしんぱいなきもちになると


手をつないでくれる・・・。


どうしてわかるんだろう・・・。



とてもふしぎだけど


さとちゃんが手をつないでくれるとあんしんする。



ずっとだまっていたら


さとちゃんがぼそっとちいさなこえでいった。


「・・・まーくんが、わるかったよね・・・・。」



さとちゃんにそういわれて


ぼくはなみだがでた。


なんでかわかんない。


ぼくもまーくんにひどいこといった。ひどいことした。


さとちゃんが


まーくんがわるかったっていったら


ぼくは


ぼくもわるかったってわかった。



さとちゃんが手をつないまま ぼくのかおおみた。


ぼくは


はずかしくて下をむいた。



雨はまだやまない。


このままずっとふってるのかな。

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