第12話 ずる休み
かずくんは ずっとくるしそうなかおのままだけど
さっきより かおいろがよくなったとおもった。
さっきはほんとうに しんでるみたいだった。
しんだ人なんて
テレビでしかみたことなかったけど・・・。
はるに さくらの木の下をほって
しんだ人をさがそうとしてさがせなかった・・・。
またちょうせんしたかったけど
かずくんが さくらの木がこわいといって
オレたちはほるのをやめた。
もし、しんだ人をみつけていたら
いまのかずくんみたいなのかもしれない・・・。
やっぱりしんだ人をほるなんてダメだよ。
そのしんだ人は さくらの木のものなんだから。
ほったらのろわれる・・・!
かずくんはそういった。
かずくんはこわがりなんだ。
かずくんがいきていてよかった。
「すこしはきぶんよくなった?」
先生が かずくんにきく。
かずくんがうなずいた。
・・・よかった。
それから先生は
「あさごはん、たべてきた?」ってきいた。
かずくんは すこししてから うなづいた。
「なにたべてきた?」
先生がやさしくきく。
かずくんが小さいこえで
「・・・・・ジュース・・・・。」っていった。
「それから?」
先生のこえがすこしきびしくなった。
けっきょく
かずくんのあさごはんはジュースだけで
先生はためいきをついた。
そして
つくえのひきだしからちいさなふくろをだした。
「これたべて。」
先生がだしたのはゼリーのおかしだった。
きれいなオレンジいろで さとうがまわりについていた。
先生が かずくんをささえながらおこして
かずくんにすいとうをわたした。
かずくんがすこしのんだ。
そしてせんせいは
ふくろをきってかずくんの口におかしをちかづけた。
かずくんがすこしかじる。
ゆっくりかんでのみこんだ。
先生がかずくんにおかしをわたす。
かずくんの小さな手がほうせきをもっているようにみえた。
そのほうせきを
またすこしかじる・・・。
そんなかずくんのようすをみていたら
先生が「きみもたべる?」ってきいた。
オレはうなづいた。
あ、やばい!!!オレはおなかがいたかったのに・・・・。
先生はちょっとわらって
オレにもかずくんとおなじおかしをくれた。
オレのはみどりいろだった。
きれいなおかしはゼリーとようかんがまざったようなかんじで
てにさとうがちょっとついた。
すごくあまかった。
おかしをたべたかずくんは
ずいぶんげん気そうになった。
「かずくん・・・あさごはんをたべてこないと、ちからがでないの。
そして いまみたいにぐあいがわるくなったり 気もちわるくなったりすることもあるんだよ・・・。」
かずくんがほけんの先生にしかられている・・・・。
かずくんは あさごはんをたべてこなかったからぐあいがわるくなったらしい。
ほんとうはげん気なオレが やさしくされて
ほんとうにぐあいのわるいかずくんが しかられて
なんかへんだ・・・とおもった。
そして
体いくをずるやすみして
すごくわるかったな・・・とおもった。
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