第9話 ずる休み

オレはうんどうかいがきらいだ。


はしるのはすきだけど


たまいれとか


ダンスとか


なんかいろいろ・・・。


だけどうんどうかいの日はすき。


れんしゅうがきらい。


だからうんどうかいがきらい。



きのうは


おなかがいたいといって


学校をずる休みした。


かあちゃんは


おなかがいたいというと


いつも休んでいいという。


ほいくえんのときから


ときどきずる休みしいていた。



だけどいつも


一日休むとつまんなくなって


つぎの日はほいくえんにいった。


きのういえにいたら やっぱりつまんなくなったから


きょうは学校にきた。



あさ、げんかんでかずくんといっしょになった。


「さとちゃん、げんきになった?よかった~」


かずくんがうれしそうにいうから


オレはこころがキュッ~とした。


「きょうは体いくできる?」


「・・うん。」


オレがおもわずそういっちゃったら


かずくんがますますうれしそうにした。



きょうはあつい。


体いくのじかんはまたうんどうかいのれんしゅうだ。


やっぱり、体いくは休みたいな。


きのうおなかがいたいと休んだあとだし


きょうもおなかがいたいといっちゃおう・・・。



体いくがはじまるまえ


オレはかずくんにおなかがいたいといった。


「え、さとちゃん、だいじょうぶ?」


かずくんがしんぱいそうにった。


ごめんね、かずくん。



いままで かあちゃんにしか うそをついたことがないから


先生にいうときはドキドキした。


先生は


オレのかおをみて


オレのひたいにさわって


それからきょうしつにあるでんわではなしをしてから


「いま、ほけんしつにでんわしたから。先生は体いくのじゅんびしなくちゃいけないから・・・にしのくん、大のくんをほけんしつにつれていってくれる?」って


オレとかずくんにいった。



かずくんはオレのうでをとって


ゆっくりとあるいた。


「さとちゃん、だいじょうぶ?おなかいたい?」


かずくんがすごくしんぱいそうにきくから


オレはまたこころがキュウウッとした。


「ぼくのおかあさんは、おなかがいたいとき、おなかなでてくれる。」


かずくんがそういうから


かずくんがオレのおなかをなでてくれるのかとおもって


ドキドキしたけど


かずくんはそんなことはしなくて


ゆっくりあるきながら


ほけんしつについた。

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