第6話 鏡
あるところに、大変仲の良い家族がいた。美しい母に厳格な父、そして素直な幼い息子。三人ともとても仲良く過ごしていた。
ある日、息子は母に対して「弟が欲しい。」と言った。これを聞いて母は大変困った。その家には二人の息子を育てるほどの経済力はなかった。そこで母は、大きな鏡を用意して、鏡に写っている像を弟だと教えた。息子は大変喜び、毎日朝から晩まで鏡と遊んだ。彼は「弟は真似っこ遊びが好きなんだ。僕はいつもそれに付き合ってあげてるの。」と嬉しそうに話した。
しかしそのうち学校にも行かなくなり、怒った父が鏡を割ってしまった。
息子はそれをみて、びっくりしたあと、すぐに笑顔になって、弟の真似っこをした。
息子が死んでしまい、母は大変悲しんだ。その後、二人の間に男の子が生まれた。その男の子はとても死んだ息子に瓜二つで、真似っこが好きな男の子だった。
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