大安に、町名を射た

 眼が覚めた。枕辺のアナログ時計が「午前8時」を示していた。洗面所に行き、顔を洗った。台所に行き、電気ケトルに水を足した。沸き立ての湯で、インスタントコーヒーを淹れた。どら焼きを齧りながら、熱いやつを飲んだ。

 食後、身支度を整えた。最後のカギをかけてから、自室を離れた。数日分の衣類を担いで、近所のコインランドリーへ向った。我が頭上に青空が広がっていた。雲の欠片ひとつ見えぬ。理想的天気だ。


 ランドリーに着いた。先客三名。皆さん、不機嫌そうな顔をしていた。空いているマシンに担いできたものを放り込み、それらの上に粉末洗剤をばら撒いた。扉を閉じてから、洗い方を選んだ。指定の金額を投入し、始動ボタンを押した。所要時間は約30分。終わるまでの間を、雑誌を読んで過ごした。

 家に戻り、バルコニーの物干し台に脱水ものを吊るした。終日こうしておけば、相当乾くはずである。太陽のありがたさを感じつつ、台所に行った。湯を沸かし、コーヒーを淹れた。マクセル社の90分テープ(愛用の商品)に録音した『松山千春のON THE RADIO』を聴きながら、熱いやつを飲んだ。


 居室に三杯目を運んだ。座りざまに、愛機を起動させた。メクるを呼び出し、やるべきことをやった。終了後、シャットダウン。コンビニおにぎりの封を切り、騒ぎ立てる胃袋を黙らせた。平日ならば、この程度では済まない。休日の俺はひどく少食になる。遊びに忙しい(?)せいもあるが、最大の要因は運動量だろう。激しく動けば、その分、腹も減ります。


 ニンテンドーDSの電源を入れた。RPGツクールの続きを始めた。今日は冒険者たちの拠点となる「町」を作成した。名称は「絶海市場」に決めた。試行錯誤を繰り返した結果、一応満足がゆくものが完成した。住民の大半がモンスターという異形の町だ。気がつくと、午後5時を過ぎていた。

 DSの電源を切り、露台の吊るしものを屋内に取り込んだ。その後、外出した。世界は夜に包まれていたが、寒さは感じなかった。


 徒歩で十分ほどかかる中華系レストランに入った。店員のおねえさんに回鍋肉弁当を注文した。できるまでの間、新聞を読んで過ごした。本日の人生相談は、かなり深刻な内容であった。弁当を受け取り、代金を渡した。

 家路の途中、スーパーに寄った。酒肴と呑みものを買った。帰宅後、温水を浴びた。居室に行き、セルバンテスに飛んだ。〔16日〕

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