先勝に、暗雲を射た
枕辺のアナログ時計が「午前8時」を示していた。起きざまに、洗面所に入った。身支度を整えてから、自室を出た。一週間分の衣類を担いで、近所のコインランドリーに向かった。今は晴天だが、午後になると曇るらしい。到着後、担いできたものをマシンに放り込んだ。ライオン社の「部屋干しトップ」をばら撒き、扉を閉めた。洗い方を選んでから、コイン数枚を投入口に滑り込ませた。
帰宅後、バルコニーの物干し台に脱水ものを吊るした。作業後、再び外出した。郵便局に足を進め、局前のポストにハガキを投函した。帰路の途中、コンビニに寄った。家に戻り、台所の電気ケトルにミネラル水を足した。沸き立ての湯で、即席コーヒーを淹れた。クロックマダムなるものを食べながら、熱いやつを飲んだ。食後にタスケチェスを指した。一応勝ったが、あまり参考にならぬ。実戦(対人チェス)ではありえないような展開だったからだ。
愛機を起動させた。メクるを呼び出し、蛮人日記(8日分)の転載を行った。とても嬉しいことがひとつあったのだが、詳細については控えよう。迷惑に繋がるといけないからである。シャットダウン確認後、台所に行き、録音の準備をした。2時から始まる『アニアカ』にビッグゲストが登場されるのだ。
居室に戻り、愛機を再度起動させた。セルバンテスに飛び、バーバリアンの編集を行った。投稿後、シャットダウン。
バルコニーに出て、空を眺めた。雲行きが怪しくなっていた。念のため、ジーンズ以外の吊るしものを屋内に取り込んだ。そのようなことをしている内にテープのB面が終わりに達した。作戦完了である。ラジオの電源を切り、窓際から定位置に移した。布団に潜り、睡魔を黙らせた。
気がつくと、午後5時を過ぎていた。ジーンズ類を取り込んでから、買い物に出かけた。来月1日から、いよいよ増税が実行される。貧乏人にとって、10%という数字は決して小さいものではない。生活費の心配をしたことがない人間に、俺の気持ちは永久にわかるまい。資産家の気持ちが俺にわからないように。ブラックを飲んでから、友人宛のハガキを書いた。仕上げに62円の特殊切手(どら焼き)を貼った。こちらも1円高くなるそうです。〔28日〕
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます