大安に、在宅を射た

 眼が覚めた。枕時計の長針と短針が「朝の7時50分」を示していた。布団を出て、部屋のカーテンを開けた。窓ガラスの向こうに曇天が展開していた。絶好の日和とはとても云えないが、今日やるしかない。日曜日の朝に洗濯などやりたくない。


 洗顔後、身支度を整えた。施錠後、自室を離れた。一週間分の衣類を担いで、近所のコインランドリーへ向った。到着後、空いているマシンに担いできたものを放り込んだ。粉末洗剤を撒きざまに、扉を閉めた。指定の金額を投入し、始動ボタンを押した。終了まで、30分程度かかる。


 自宅に戻り、物干し台に脱水衣類とジーンズを吊るした。空模様に変化はないが、屋内に干しておくよりはマシだろうと考えた。怖いのは、急の雨だが、日中はずっと家にいるつもりだから、問題はない。

 台所に行き、電気ケトルにミネラル水を注いだ。沸き立ての湯で、即席コーヒーを淹れた。カスタードデニッシュなるものを食べながら、熱いやつを飲んだ。その後、居室に二杯目のコーヒーを運んだ。


 二杯目を飲みながら、UMA(未確認動物)に関する本を読んだ。目的は、好奇心を満たすためと草小説の参考にするための両方である。

 ウソかマコトか、ゴビ砂漠の砂(地)中には「デスワーム」と呼ばれる化物蚯蚓(みみず)が棲んでいるらしい。

 目撃例はあるが、捕獲例と退治例は一度もない。実在の可能性は極めて低いが、デスワームに命を奪われた人が大勢いるというから、笑い飛ばす気にはなれない。ツチノコなどに比べると、はるかに凶暴な生物である。〔18日〕

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