学生時代にネズミといわれた同級生
今となれば昔なのだが、学生時代にねずみ男といわれていた同級生がいる。いじめの的にされていて、そのきっかけもつまらないことがだったと思う。
顔が鼠に似ているとか、名前が片目を隠した妖怪退治のアニメだか漫画でてくるビビビのなんとかに名前が似ているとかそんなくだらない理由だったはずだ。
子供は残酷なもので、そんな些細なことでもいじめの理由となる。
ここあることにからかわれ、囃し立てられていた記憶がある。自分はそんなことをしなかったが、自分も標的になるが怖いので助けてはいない。
それが心の棘となり、社会人になっても心残りになっていた。
できれば彼とあって当時のことを謝りたいと思っていて、あまり気乗りしない同窓会に赴いたのもそれが目的だった。当時のクラスメイトもおぼろげな記憶となっている。
立食で酒を飲みつつ、寿司などをつまみながら雑談していると、そんなネズミだといわれた生徒など知らないとみんな口をそろえて言う。
嘘を言っている雰囲気もなく、首をかしげる。酒が入っているので記憶が曖昧なのかもしれない。
同窓会も二次会でお開きになり、帰る途中に見覚えがある背中をみた。帰る方向からして同窓会の参加していた人だろう。もしかしてと思い足早に追い抜き振り返った。
街灯に照らされたその顔はネズミに似ていた。にやりと彼が笑う。寒気がした。何故ならその顔は鏡をのぞき込んだように自分と同じだったからだ。
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