必ず当たる占い師
友人と話していた時、ふとした会話で占い師のことがでた。必ず当たる占いなどありえないというどうでもいい話題で、友人のいうことには結婚相手や、死ぬ時期とかがわかるなら、明日の夕飯の献立を聞いてみて、カレーと答えたら、チャーハンをたべればいいという。
なるほど、その時はたわいもない話で分かれたが、いずれちょっと試してみたいと考えて、占い師を調べてみた。
すると、必ず当たるという占い師が見つかった。直接は合わず、オンラインのチャットで占いを行うらしく、当たらなかったら料金は無料でいいという。支払いは電子マネーでもクレジットカードでもできるようだ。
何でも聞いていいらしいので、ダメ元で占いを依頼してみると、あっさりとOKになった。
あまり、人気がないのかもしれない。料金は時価というきな臭い感じだった。
相手はAIとかで人間ではないという可能性もあるが、やり取りは人間のようにも思える。尋ねると、納得しない限りは何回でも料金は無料らしい。うさん臭さは増した感じだが、さっそく友人と話した内容を聞いてみた。
明日の自分の夕食をきいてみたら、あっさりと『カレー』といってきた。
次の予約をしておき、そこで占いの結果を告げることにして、その日の占いを終える。
これでいかさま確定だろう。次はいかさまだと告げて、料金を踏み倒そうと考える。無料だといっていたので払う必要もないのだが、からかうのもいいだろう。
次の日、もちろん、友人から言われた通り、チャーハンを食べた。
カレーというのは外れたというわけだ。
次の占いの日、占いが外れたというと、それはないとチャット画面で画像が送られてきた。自分はそれを食べたという。そんなはずはないと思って画像を見る。
チャーシューやニンジンを刻んで、ライスと一緒に炒めた料理の画像。まさにカレーだ。何か違和感がある。ネットでこっそり調べると間違いない。カレーという料理だった。
確かに当たっている。友人は間違っていたようだ。
いわれるままに料金をはらったのは言うまでもない。
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