寄生生物
友人の夫婦は長く子供がうまれなかったが、最近無事うまれたらしい。出産祝いを送ると、久しぶりに遊びに来てほしいという。
次の休日、さっそく彼らの家に赴いた。三十五年のローンで買ったという郊外の一軒家に車で駆けつけると、二人で歓待してくれた。
子供用のおもちゃで散らかっている居間でお茶をいただくと、友人が出産祝いの礼をいう。生まれた赤子を見せてもらうと、それは人間に見えなかった。虫のような甲羅があり、足が六本もある。きぃいぃという謎の声を上げていた。寒気がしたが、できるだけ平静を装い、離れる。
寒気が全身を襲ったが、自分の頭がおかしくなってしまっているのか、これが現実かわからない。
しばらくして、暇を告げると帰宅した。
他の友人から話を聞くと、実は死産だったという噂を聞いた。何が本当かはわからない。しかし友人の家で見たあれはいったい何だったのだろう?
なぜか、寄生生物は宿主の脳を操り、都合のいい行動をさせるという話を思い出した。
その友人からは、たまにあの謎の生き物の写真が届いていたが、そのうち音沙汰がなくなった。
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