若さの秘密

 先輩の看護師は、よもや四十も後半になっているはずだが、見た目二十代にしかみえなかった。

所作も機敏で、若々しく、頭も鋭敏だった。

若さの秘密が興味があり、何度か尋ねてみたが、睡眠をとるとか、栄養に気を付けるとか、当たり障りのない内容ではぐらかされるだけだった。

睡眠といっても、激務をこなし、夜勤も率先して問題なくこなすところを見るに、十二分に取れているとも思えない。

栄養といっても、適当にあり合わせの弁当を持ってきているか、とらない場合も多かった。

といって、血色がわるいわけでもなく、肌もつやつやしている。

化粧も薄く。厚化粧で隠している雰囲気もない。

どれだけ、夜勤をこなしても肌にやつれた雰囲気もなかった。

 

 この若さの秘訣はとても興味深く皆、注目していたが、明確な答えに誰もたどり着くことはできなかった。

遺伝や、体質の問題だろうか?

と考えていると、ある日その秘密を見つけた。

先輩看護婦は、患者から採血をすることが多かった。

その際、わずかに多めに血を抜き取っていた。

それもわからない程度だ。


抜き取った血をどうしているのか?

それは想像通りだった。

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