隣人の話

 住んでいるアパートの壁は薄く隣の部屋の音が聞こえてくる。

水道の音や、歩く音などが聞こえてくる。

これくらいの音なら、我慢できないことでもないので、気にしないでいる。

こちらも音を立てることもあるので、お互い様だと思う。

隣人とは、生活スタイルが違うのかすれ違うこともない。

挨拶のため何回か、チャイムを鳴らしたこともあったが、留守なのか出てくる気配はない。

気にしないで暮らしていると、夜中に生活音がする。

夜勤の人間なのか、こちらが寝る時間に動き出すのは少し迷惑に思える。

叫び声のような音がして、何かが割れるような音がした。

気になるが、今日は夜で眠いので布団をかぶって眠ってしまうことにする。

たびたび、夜に叫び声が聞こえたり、騒ぎ声が聞こえるのでさすがに管理会社に苦情を入れると、隣の部屋は空室だという。

釈然としない。

調べると事故物件でもないようだ。

出ていこうにも今でていこうとすると違約金で家賃二か月払わないといけない。

なんとか、調べてもらうよう管理会社に訴えると、重い腰を上げて夜中に調べてもらうことができた。

空き室のはずの部屋には、人が入った痕跡があり、不審におもった管理者と警察がさらに調べると、深夜不法侵入している不審者が捕まった。

どうやら他のアパートの住人につきまとうストーカーだったとのことだ。

いまでは、隣の部屋は静かになり、快適に暮らせている。

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