　小学生くらいの時だろうか？

当時、居間にブラウン管のテレビがあり、家族で見ることが多かった。

夜中、二時くらいだったか、正確な時間は覚えていないが、目が覚めてしまった。

二段ベッドからおり、トイレに行こうとおもったが、隣の居間から音が聞こえてきた。

奇妙な音が聞こえる。砂嵐の音だ。

居間をこっそりのぞくと、自分以外の家族が全員、居間で座って砂嵐を映すテレビを見ていた。

たまに笑っているのか、体を震わせていた。

なぜか、見てはいけないものをみたようで、音もなく離れ、トイレにも行かずに寝た。

　次の日、弟や母にそのことを聞いてみようとおもったが、なぜか聞く気が起こらなかった。

　あれから、十年以上たっているが、実家の居間にはまだブラウン管のテレビが残っている。

自分もすでに家族がいる身だが、最近、妙に夜に砂嵐の画面が見たくて仕方ない。

自宅にはテレビはおいていないので、何とかその気持ちが抑えられている。

だが、次に実家に帰ったら、この気持ちが抑えられる自信はない。

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