投票率100%
国民の投票率が著しく低下しているのが、巷では問題視されている。
投票に行かない人の言い分は、結局投票しても意味がないとか、わざわざ投票に行くのが面倒だということだ。
昨今のAI技術の発展で、国民全体のパーソナルデータが蓄積でき、各自の思考からどの党に投票するかを割り出すことができるようになった。
投票に行かない場合は、AIが代理で投票するようになる。
AIがどの党に投票するかは、事前に国民にメールやはがきで通知され、気に入らない場合は自分で投票することで、覆すこともできる。
最初はみんな、事前通知を確認し自分で投票しに行っていたが、確認しても自分が選んだ党と一致しているので、皆確認することもなくなっていた。
さらに、政治も自動化された。
そもそも、人間が政治をやることが腐敗やら、国民に害なす事態を招く。
という判断だ。
これは、政治に反感のある層が多く、早く受け入れられた。
AIが色々なパターンで政治をおこない。これを投票で決定するようになった。
それから、数百年経過した。
完全にあらゆるものが自動化され、政策は完全に理にかなったものとなった。
しかし、その国には人というものはなく、すべて機械となっていた。
今はAIの間で、政策やら今後の事を処理している。
昔、人間というのがいたらしいが、それを気にするものは特にいない。
AI間の判定処理で、人が存在していないことに疑問が上がったこともあるが、
「全国民の意志は完全に反映されているので、特に問題はないだろう」
ということになった。
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