同じ顔の人間はこの世に三人「以上」はいる。
つるんでいる友人の一人からLINEがあった。
なんか昨日、梅田の繁華街で自分を見かけたらしい。
目が合ったけど、無視されたとか怒っていた。
しかし、自分は昨日、急に仕事があり出社していた。
梅田などに徘徊できることもない。
そのことを、LINEで返すと、まあ、同じ顔の人間は三人はいるからなぁと返ってきた。
さらに次の日、別の友人から、自分を見かけたというLINEがあった。
場所は、淀屋橋の駅で無視して通り過ぎて行ったという。
そいつは自分が仕事中だと知っているため、仕事をさぼったのかという内容だった。
間違いなく仕事中で別人だろうと返信した。
見間違いかな? 同じ顔の人間は三人はいるからなと返してきた。
帰宅途中見慣れた背中が前を歩いているのを見つけた。
今日は定時で帰れたので、あたりはまだ夕暮れだ。
スーツの皺や、柄が見覚えがある。歩き方の癖も同じだ。
それどころか髪型も一緒。わずかに見える眼鏡のフレームの色まで同じだった。
背筋が寒くなる。
ドッペルゲンガーというやつだろうか?
確かであったら死ぬとかいうやつだ。
顔を見るとやばいと思い、道を変えることにした。
路地に入り、別の道路に移動した。
前には老女、子供、サラリーマン風の男が歩いていた。
見慣れた後ろ姿はない。
安心した瞬間、三人が振り返る。
それは……。その三人は……。その顔はすべて自分と同じ顔だった。
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