永劫回帰
職場で陰湿ないじめに遭い、心を病んでしまい、退職となってしまった。
それから、数年貯金を切り崩して生活をしていたが、そろそろ底をつきそうになっていた。
服も数日着替えておらず、誰もいないアパートにずっと一人きりで暮らしていた。
食事は宅配で、生活に必要なものは通販で購入し、誰とも話さないという状態がつづいている。
このままだと、家賃も払えずアパートを追い出されてしまうだろう。
社会復帰の簡単な一歩として、外に出てみることにした。
アパートの階段を降り、車道を渡ってコンビニに行くだけのことだが、自分にとってはダンジョンで魔王を倒すような難易度だった。
冷たい外気が肌を刺す。今は、真夜中だった。
信号は青だったので、ふらふらとわたっていると、信号を無視して大型トラックが突っ込んできた。
自分の体は宙を舞い、骨が砕ける音が響いた。
そのまま、ガードレールにたたきつけられて、はじき返されたのち、
別の車に頭を敷きつぶされた。
ゆっくりと、激痛が全身から伝わってくる。
耳の奥から、自分の頭蓋骨が砕けていく音が聞こえてきた。
ふと、気が付くと、自分は漆黒の闇に包まれた場所を浮遊していた。
これが死後の世界かとおもったら、温かい女性の声が聞こえた。
「あなたはやり直したいですか?」
このままでは、自分の人生はなんだったのだろう?
と思える。色々と悔恨の念が押し寄せてきた。
このまま、死にたくない。
「やり直したい」
と答える。
体が宙を舞い、体がガードレールにたたきつけられた。
前とまったく同じく全身に激痛が走り、頭蓋骨が砕ける聞き覚えのある音を耳の奥で聞いた。
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