第2話 進学でそれどころじゃない

学年が変わって3年生になった。そう、受験生である。恋にうつつを抜かしているわけにはいかない。


「んで、結局は告白はお見送りと。」


呆れた顔で友人の奈々に言われてしまった。


「だってきっかけがないんだもん。」


「そうこうしているうちに誰かに取られちゃうよー。相沢くん顔はイケメンなんだから。」


「そうはいってもねー。一緒にいる期間長すぎてほんとにそうゆう目で見られてないと思うし、なんか一周回って好きななかわからなくなってきた。」


「またそうやって言うー。まあ、今年は受験だし世の中はこんなんだし?恋愛どころじゃないのはそうかもねー。」


友人と会話してても顔の半分はマスクで隠れている。今では外に出る時にマスクは欠かせないアイテムだ。夏が近づいてきた今の季節、暑くて酸欠になりそうだった。


「でも、大学希望してるところが同じだったから、受験終わったくらいでタイミングが合えば頑張ってみようかな。」


「あんたそれお預けが長いな。」


友人の呆れた一言を聞きながら、受験のモチベーションなど言い訳をして、自分に言い聞かせていた。

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