ソロの活動
水谷一志
第1話 ソロの活動
一
俺は偉大な人間になりたい。
そう、ソロなのだから。
そして……、俺は絶対誰にも負けたくない。ってか負けねえ。
二
まず俺は、先人が築いた道をもっともっと深めていきたい。
もっと、大きくなっていきたい。
とりあえず獲得人数を増やさなければ。
そして、自分のテリトリーをもっともっと大きくしなければ。
そうやって考えるのが俺の生きる道さ。
三
俺は今まで、本当に頑張ってきた。
こういう言い方をしては何だが、俺にはライバルだっていっぱいいた。でもそんなライバルを俺は蹴散らした。
そんな中で俺が一番大事だと思ったのは、知恵。
そう、それは神様に「欲しい」と願うほどだ……別に大げさではねえよ。
そんな知恵がなければ、俺はここまでの地位は築けなかっただろう。
そう、俺はソロ。偉大過ぎるほどのソロ。
四
まあでも俺にだって逆らえない奴はいる。
言ってみれば俺の上位存在。
そいつには頭すら上がらない……なら媚びを売るしかない。
まあ言われてみれば癪だが、この世界で生き残っていくには仕方がない。
でも、何と言っても、俺はソロ。
五
何!?俺についていけない?
俺のやり方が気に入らねえだって?
まあいいさ、だいたい知恵で俺に勝てる奴がいるか?
もちろん一般の人気は大事だ。そんなこと分かっている。
でも、他の奴らは俺には勝てない。
俺の足元にもそいつらは及ばない。
何てったって、何てったって俺はソロ。
六
だいたい俺が俺たち以外の考え方を認めたっていいじゃねえかよ?
別にみんなが俺や俺たちのやり方で動いているわけではねえし、みんながみんな信者じゃねえぜ?
それで対立って……、脳みそ小さくねえか?
度量も何もあったもんじゃねえよ。
もっと広い心を持てよ!
あと、知恵もな!
そんなものを兼ね備えている……、何てったって俺はソロ。
七
だいたい他の国からも慕われてる奴がこの国にどれだけいる?
だから俺のやり方を見ろ!
俺の言うことを聞け!
他の国からわざわざ女性が俺のためにやって来るんだぜ?
わざわざ俺のスキル、つまりは知恵を見るためにだ。
そんなこと過去にあったか?
そう、俺は偉大なソロ。
八
でも俺の後、俺たちはあんまりいい運命をたどってない。
俺という偉大なソロの後継者は俺の支持者たち、俺たちの支持者たちをバラバラにしてしまった。
全く情けない奴だぜ。
見てらんねえけどここから口出しすることもできない。
結局俺の後釜は大きな派閥を二つ作ってしまう始末。
あとな、後から出てきた別のグループのリーダーに「俺はお前に勝った」みたいなこと言われちまったよ。
まあ結果を見れば明らかかもしんねえけどな。
俺は偉大なソロ……のはずなんだけどよ?
九
そんな俺は……、地獄に落ちるのだろうか?
何も悪いことした覚えはねえけどよ?
まあそれに関しては何とも言えねえな。
でも、地獄に落ちるならそれも本望さ。
何てったって、俺はソロ。
俺の活動は間違っちゃいない。
そう、俺はソロ。
【古代イスラエル第三代の王、ソロモンなのさ】 (終)
ソロの活動 水谷一志 @baker_km
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