ソロの活動

水谷一志

第1話 ソロの活動

 俺は偉大な人間になりたい。

そう、ソロなのだから。

そして……、俺は絶対誰にも負けたくない。ってか負けねえ。


 まず俺は、先人が築いた道をもっともっと深めていきたい。

もっと、大きくなっていきたい。

とりあえず獲得人数を増やさなければ。

そして、自分のテリトリーをもっともっと大きくしなければ。

そうやって考えるのが俺の生きる道さ。


 俺は今まで、本当に頑張ってきた。

こういう言い方をしては何だが、俺にはライバルだっていっぱいいた。でもそんなライバルを俺は蹴散らした。

そんな中で俺が一番大事だと思ったのは、知恵。

そう、それは神様に「欲しい」と願うほどだ……別に大げさではねえよ。

そんな知恵がなければ、俺はここまでの地位は築けなかっただろう。

そう、俺はソロ。偉大過ぎるほどのソロ。


 まあでも俺にだって逆らえない奴はいる。

言ってみれば俺の上位存在。

そいつには頭すら上がらない……なら媚びを売るしかない。

まあ言われてみれば癪だが、この世界で生き残っていくには仕方がない。

でも、何と言っても、俺はソロ。


 何!?俺についていけない?

俺のやり方が気に入らねえだって?

まあいいさ、だいたい知恵で俺に勝てる奴がいるか?

もちろん一般の人気は大事だ。そんなこと分かっている。

でも、他の奴らは俺には勝てない。

俺の足元にもそいつらは及ばない。

何てったって、何てったって俺はソロ。


 だいたい俺が俺たち以外の考え方を認めたっていいじゃねえかよ?

別にみんなが俺や俺たちのやり方で動いているわけではねえし、みんながみんな信者じゃねえぜ?

それで対立って……、脳みそ小さくねえか?

度量も何もあったもんじゃねえよ。

もっと広い心を持てよ!

あと、知恵もな!

そんなものを兼ね備えている……、何てったって俺はソロ。


 だいたい他の国からも慕われてる奴がこの国にどれだけいる?

だから俺のやり方を見ろ!

俺の言うことを聞け!

他の国からわざわざ女性が俺のためにやって来るんだぜ?

わざわざ俺のスキル、つまりは知恵を見るためにだ。

そんなこと過去にあったか?

そう、俺は偉大なソロ。


 でも俺の後、俺たちはあんまりいい運命をたどってない。

俺という偉大なソロの後継者は俺の支持者たち、俺たちの支持者たちをバラバラにしてしまった。

全く情けない奴だぜ。

見てらんねえけどここから口出しすることもできない。

結局俺の後釜は大きな派閥を二つ作ってしまう始末。

あとな、後から出てきた別のグループのリーダーに「俺はお前に勝った」みたいなこと言われちまったよ。

まあ結果を見れば明らかかもしんねえけどな。

俺は偉大なソロ……のはずなんだけどよ?


 そんな俺は……、地獄に落ちるのだろうか?

何も悪いことした覚えはねえけどよ?

まあそれに関しては何とも言えねえな。

でも、地獄に落ちるならそれも本望さ。

何てったって、俺はソロ。

俺の活動は間違っちゃいない。

そう、俺はソロ。


【古代イスラエル第三代の王、ソロモンなのさ】   (終)

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ソロの活動 水谷一志 @baker_km

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