第2話 ~出会い~

校門からまっすぐ林の道を進むと、中央に校門から見れたとても大きな白い5階建てのビルと4階建ての洋館、そして背後にはとても大きな高層ビルがそびえ立っていた。


アイルは建物を見まわしていると、グラン先生が言った。

「うちの学校のキャンパスはとても広くてね。左に見える建物が文系館、中央に見える白い建物が本館、奥に見える高層ビルが学校寮、右に見えるのが理系館よ。あなたはが使うことになるのは本館と学校寮かしらね。」

「え?僕は、傭兵育成所へバートで暮らすと聞いたんだけど。」

「いいえ、へバートには確かに通うけれども、学校寮に住むのよ。今日ちょうど、新しい生徒が2人やってきてるから一緒に住んでもらうことになりそうね。じゃあまず、教室に行きましょう。みんな待ってますよ。」

本館のエントランスに入ると、グラン先生と一緒にエレベーターに乗り、地下12階に行った。

「地下何階建てなんですか?」

「20階建てよ。あなたは、今グレード2だから、卒業時のグレード10の時には地下3階になるわね。地下1階と地下2階は、巨大駐車場で格納庫でもあるから生徒は入れないわ。」

「格納庫?」

「ああ、言ってなかったわね。ここでは、生徒たちは自分の剣と術サーガシーアを選んで訓練し、立派な戦士になるように努力するのよ。」

「自分のは?」

「剣とサーガシーアの場合は、グレード1からサーガを貰って練習を始めて、グレード2になったらを決めるのよ。それでその色を磨いてグレード9になってようやくシーアが使えるようになるのよ。」

「それって僕にもできる?」

「教室で顔合わせをしたらみんなで工房に行くわよ。今日がちょうど色を決める日なのよ。」

そう言って、グラン先生は俺を連れて教室に入った。

(みんなが自分を見てる.... 緊張するなあ.....)

「こ、こんにちは。アイルと言います。よろしく。」

「アイル君は、そこの左奥の席の子の隣に座ってね。」

俺が席に座ると隣の子が話しかけてきた。生まれてみたことがないほど綺麗な美少女だった。

「はじめまして。アリネといいます。よろしくね、アイルくん。」

そう言って彼女がウィンクすると俺は見とれてしまった。

「おいおい、何見とれてんだよ、この野郎。」

そう言って、俺の頭を叩いてきたやつがいた。

「俺は、エーベル。よろしく、。」

(なんなんだ、こいつ。初対面で人を叩くとか頭おかしいだろ....)

そうして俺は、一瞬でエーベルが嫌いになった。

グラン先生は、そんなことは知りもせずこう呼びかけてきた。

「あ、そうそう。アイルくんとアリネちゃんとエーベルくんは、今日転入ってこともあって同じ部屋になったって、さっき寮監の方から連絡があったわよ。仲良くしなさいね。」

「おいおい、アイルとかいうこの赤ん坊と一緒かよ。最悪だわ....」

(最悪なのは、こっちだよ、エーベル.....)

「じゃあ、そろそろ皆さん工房に行きましょう。今日はを決める大事な日ですからね。」

と、グラン先生が呼びかけたことで僕らは工房に向かった.....



(続く)

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