クランテベルトの冬
Haon.K
第1章 少年時代の思い出
第1話 ~始まりの物語~
冬のある日、その日はとても冷え込んでいて人が外に出られるほどではなかった。そんな日に田舎の大地主の家で子供が生まれた。その子供は後に、
ここは宇宙世界-Z-にあるシャンガ帝国の最北端に位置する極寒の都市、
クランテベルト。シャンガ帝国は皇帝をトップとする中央集権国家であり、クランテベルト出身の兵隊はシャンガ帝国軍の中枢に大勢いると言われている。
強い兵隊が毎年育成されていることで知られるクランテベルトを現在の皇帝一族であるザーイーヤング家は、800年以上前から統治していてこの兵力を元に勢力を拡大してこの国を作ったと言われている。
さて話を戻そう。その生まれた子供は、クランテベルトから車で4,5時間かかる
とても寒い田舎に住んでいたため、生まれつきとても身体が弱く、2歳になっても自力で歩くことが出来ず、親が医者に相談しても匙を投げられてしまった。困り果てた親は、クランテベルトで傭兵育成所を営む叔父に預けて立派な大人になるまで代わりに育ててほしいと頼んだ。
こうして叔父の下で育てられたアイルは、10歳になるとその歳にしては十分と言えるほどの筋力を持った男になった。
____________________________________________________________________
「おい、アイル!誰が休んでいいと言った!」
そう怒鳴るのは叔父のルブックだ。
「叔父さん!
「何を言っているんだ、アイル!そんなこと言うともう1回走らせるぞ!」
「わかったよ....」
「あなたー!アイルー!ご飯よー!」
「ああ、もうすぐ終わる!」
そう返して、ルブックはアイルと共に家に帰った。
アイルが夕食を食べていると、ルブックが言った。
「アイル、お前はもう10歳になったよな。」
「そうだよ、叔父さん。どうしたの?」
「お前はこれから学校に通うことになる。明日出立するから準備をしなさい。」
「なんで⁉僕は傭兵育成所で暮らしていくんじゃないの?」
「クランテベルトの少年は、昼間は学校に通い夜は傭兵育成所で過ごす。もうお前は私の家には住めないのさ。」
「................」
「そんなに心配するな。友達もすぐにできる。」
「はい......」
(はあ....とても憂鬱だな....)
アイルは自室に戻り荷物をまとめると読書をしていたが、やがて眠りに落ちていった......
翌朝、目が覚めるとアイルは車の中だった。
「目が覚めたか、アイル」
「叔父さん⁉どうしてここに?」
「起こしに行ったんだが、気持ちよさそうに寝てたからな。あと10分ほどで学校に着くから準備しなさい。」
「はーい」
「学校」と呼ばれる場所に着いたとき、アイルはとても驚いた。
とても大きな白い建物で、広い運動場、楽しそうに話す生徒たち.....
アイルが呆気にとられていると、ルブックが校長先生と呼んだ男性の下へ連れて行った。
その男性は、筋肉質で身長が190cmはあるだろうかとても大柄で、話す声が大きすぎて耳が痛くなる。
「はじめまして、アイルくん!話は聞いているよ。よろしくね。」
「..... よろしくお願いします.....」
「グラン先生!」
グランと呼ばれた美人の女性がこっちにやってきて挨拶をした。
「はじめまして、アイル君。私はあなたの担任のカレンヌ=グランといいます。校舎を案内するからついてきて。」
こうして、アイルはグラン先生と一緒に学校の中に入っていった......
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます