推しがくれた勇気

 私は、元々はとても内気で神経質、慎重な性格だった。

 それでも、中学校の頃からはいろいろなことに少しずつ挑戦している。世間一般から見れば大したことはやってないかもしれないが、あくまでも個人的な基準だ。


 中学校の頃は、当時好きだった科学と歴史以外の本も読むようにした。初めて夏目漱石を読んだのは中三の時だ。文章に本気で取り組み始めたのもその頃。

 高校では資格を取った。簿記三級と危険物取扱者だ。さらに筋トレを始めて、受験勉強の合間にブログと小説を書いた。ブログは今も書いている。

 予備校生活でも、受験勉強の他に二つ挑戦をした。

 まず、クレアさんのお誕生日に小説を贈るサプライズ企画に参加した。実家にエアロバイクがあり、その上で運動しながら書いたのだ。かなり楽しく、そしてスムーズに書けた。自信作だから、いつか一般公開しようかな?

 そして、心理学の本を読んで自己分析をした。私は発達障害があるのだが、当時通っていた精神科で「トラウマがあるのでは」と言われたので、トラウマに関する本が中心だ。本職の臨床心理士が読むような難しい本を読んで、やっと回復への道が見えた。


 今年の四月に大学に入ってからも、挑戦は続いている。

 ブログの収益化や格闘技の習得のために情報を集めたり、苦手な雑談をしたり。

 雑談では一言二言話すだけで疲れる。趣味の話ならできるのだが、そうでないとほとんど何も話せない。女性の場合はなおさらだ。中高で女子と話した記憶は片手で数えられる程度なので、距離感がつかめない。思春期がこれってちょっと悲しいな。

 それでも、先週は昼食で隣に座った男子とライン交換したし、今週は授業で書く論文のテーマを発表した時に、お互いのテーマについて近くの女子と話した。


 実を言うと、高校の頃までは「その時好きなこと」の延長線上で新しい要素を入れることが多かった。苦手なことはあまりしていないのだ。

 また、小さい頃から不安やコンプレックスが多かった。「将来、自分の生活費を稼げるだろうか」などの不安。「体力がなくていつも喧嘩で負け、笑い者になっていたこと」などのコンプレックス。それでいつも身動きがとれなくなっていた。

 でも今は、ブログやカクヨムを収益化して少しでも金銭面の不安を克服しようとしているし、体力のコンプレックスも護身用に格闘技を学んで克服するつもりだ。つまり、自分の不安やコンプレックスと向き合っている訳だ。

 いったい何が私を変えたんだろう。

 一つに絞るのは難しいが、最大の理由は間違いなくクレアさんだ。


 高校を卒業した頃、クレアさんが配信で報告をしていた。「中学と高校の教員免許を取った」と。

 その配信を見て、とても感動し、勇気づけられた。

 その配信の感想をまとめようとした当時のメモを見たが、まとまりも何もありゃしない。思いつく限り書き散らした、支離滅裂な代物だ。とてもじゃないがお見せできない。逆に言えば、上手くまとまらないほどの感動だった訳だ。

 それで「自分もクレアさんの行動力を見習いたい」と思った。

 お悩み相談配信も大きく影響しているだろう。

 相談する視聴者の心に寄り添い、背中を押す。そんなクレアさんの言葉が心に響いたから、前を向いて生きていけているのだ。

 まいにち動画もそうだ。

 先々週から始めた「週末フリーエッセイ」は、まいにち動画からヒントを得て、「短めのエッセイなら毎週書けるだろう」と思って書き始めた。とか言って毎回千文字超えてるのはご愛敬ってことで……。

 そして、たぬさんたちとの出会いも欠かせない。

 たぬさんたちはいい人が多いので、「いつかオフ会に行くかライブ会場で話しかけるかして会って話してみたい」と思っている。その時のために、少しでも身だしなみに気をつけて、コミュニケーション能力もつけておきたい。もちろん、クレアさんのトークイベントに行く時も想定している。そうは言っても、実際に推しと直接話したらそう上手くはいかないだろうけど……。


 私は、クレアさんのおかげで勇気を得た。自分と向き合う勇気、苦手なことでも挑戦する勇気を。

 クレアさんには本当に感謝している。クレアさんがいなかったら、きっとエッセイの連載もしてなかったし、ブログの収益化も考えなかっただろう。愉快なたぬさんたちとも会わず、大学でも誰とも話してなかったかもしれない。

 クレアさんと出会わなかったら、今の自分はなかった。

 だから、全力でこう叫びたい。

「クレアさん、本当にありがとうございます!」


(今回取り上げた動画のURL)

https://www.youtube.com/watch?v=dBWncAGWJA8

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