2日目:選ばれた世界

 目を覚ます。見慣れた天井、変わらぬ風景、カーテンの隙間から挿す陽光、響き渡るアラーム。そこまで認識した私は遅いくる眠気を跳ね除けて体を起こす。カーテンを開けて洗面所で顔を洗う。一階へ降りると母親が朝食の準備をしている。


 無言で出されたパンを食べて2階へ戻る。2人は私がこんな風になってしまった理由を知っているため、特に何も言わずにそっとしておいてくれる。


 ひどく重い足取りで学校に向かい席に着く。時間割を確認すると今日は1時間目から数学だ。元々重い心がさらに憂鬱さを増大させる。


「はぁ……数学か……」


 そうつぶやいた彼女は数日前とは別人のようだ。はたまたそれは誰か別の人格が入っているからなのか、大事な友を失って人格が変わってしまったのか。その真実を知る者は本人以外誰もいない。


今日と鏡のスキマ〜完〜

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