第87話 あるじの従魔

オスト・ベンフォントが戦ってる中コンマラスはと言うとーーロンと対面をしていた


「どうやら貴方の主はフリュウと戦ってるみたいですね!」


「だからどうした……所詮勝つ方は決まっておるわ!」


コンマラスは威圧感を出しながらロンに向かって言葉を発した


しかしロンはそれに抵抗をする


「ほぉ〜でも勝つという言葉は貴方の主には相応しくない」


メガネを少し上に上げ直しドヤ顔をしながらコンマラスを見下す


「まさか主以外の人間如きに見下されるとは思わなかったわ!」


コンマラスは少しの怒りを覚えていた


「そうですか……では始めましょうか」


そうロンが言葉で合図をするその時コンマラスが立っている地面から大爆発が起きた


それを見たロンは少しの微笑みを浮かべた


「ふははは!だから言ったではありませんか!所詮貴方が伝説であろうがなかろうが私には勝てないのですよ!!」


しかしいくらロンがコンマラスを煽っていても大爆発が起きた場所からは黙々と上に上がっていく煙しか見当たらなかった


不思議と思ったのかロンは周りを周りを見始める


ーーだが変わった場所はない


「あいつはどこへ行った……おかしい、、あの短時間で逃げれるはずが」


いくら探しても何も変わらないし何も起こらない

そう。彼ロンは思ったのだろう


しかし知恵のあるものはたった一つの道からではなくそこにある数本と小さな木に生えた枝と言う道を探し見つけそして辿る


だからこそ……コンマラスはそれを知っていた。


「まさか!?」


瞬時に上を見上げるロンしかしそこには誰もいない


その時、後ろから殺気を感じる


「後ろだと!?」


「遅いわ若造が!」


〘王者の爪〙


その技をもろにくらったロンは吹き飛ばされる

血まみれになりながらも立ち上がる


「ほう?まだやるか……その根性だけは認めてやろう」


「我が求めし所に癒しあり 我が魔力に変えて我を癒せ!〘回復〙」


たちまち傷を負っていた身体は【回復】により塞がり低下していた体力も元に戻った


「どうです?これが私の力です!」


人間と言うのは力に溺れるものなのだった


その事をコンマラスはよく知っているーー遥か昔から存在するものだ


いくら力を持っていてもその力を自身のためだけに使い自分自身を破滅の道へを辿り消え去りまたそれを繰り返す


ロンという男もまたその1人だ


コンマラスは考えていた……自身にとってどれだけ主であるオスト・ベンフォントが力に溺れないという事を改めて知ったのだった


「お主は……あの人とは違う!あの人は力なんぞに溺れない!」


「あの人とはオストの事ですか?ならそれは間違いですよ!あいつは心の弱い雑魚いや人間として生まれてきたことを後悔すべき人なんですよ!」


『恥さらし』・『後悔』・『侮辱』その言葉がコンマラスを刺激する。今までにない怒りをロンは与えてしまった


ーーそう。怒らしてはいけない従者を呼び起こしてしまった


「それが貴様の最後の言葉か?」


「はいそうです!って言ったらどうなるんでしょうかね?非常に興味深い」


「そうか……それを聞いて安心をした……お前はいや貴様は排除しておくべき存在だ」


「は?」


その瞬間……ロンはその場で地面に埋もれた

一瞬の出来事に彼の脳みそは追いついていなかった


「……っ!?はぁはぁ……いきなりなんなんですか」


ロンはコンマラスに向かい殺気をむける


「言ったであろう……貴様は我を怒らせた」


植物さいらい憤怒サイヤク


地面からは4本の植物が生えてくると一斉にロンに鋭く尖った先っぽを向けると止まっているはずの尖った先っぽは回転し始めた


「なっ!?なんですか……これは」


「行け……植物達よ」


ロンと言葉すら耳に入れずコンマラスは命令を下す


「なんなんですか!本当にもう!」


逃げ回りながら必死に避けるロンだがそれには限界がある


数分間逃げ回ったあと遂に諦めたのかそこで立ち止まる


「諦めるか……人間」


「我を守り手 守護となれ〘盾〙」


4本の内の一つの植物が攻撃を仕掛けるがそれは【盾】によって守られる


「……くっ!?重い」


ーーだがコンマラスの攻撃も負けてはいないのだ

たった一撃打ち込んだだけでロンの盾は消え失せた


「チッ!でもまた何度でも発動させればいい!」


「そうはいかぬ」


隙を作らないとコンマラスは3つの植物を動き出させる


先程は盾のお陰で守られたが今はそうとも行かないのだ

【植物の憤怒】は凄まじい回転力と攻撃力を持ち合わせ更にはその移動速度も異常なのだ


「魔法詠唱できないなら逃げるのです!」


そう簡単には逃げられない

コンマラスに一瞬で道を塞がれるロン


「ならば破壊するのみ!」


魔力弾をロンは放つがそれは一向に当たらず空振りするばかり


ーーだがその時ロンは血反吐を吐いた


「かはっ!?」


何故なら植物の1本がロンの後ろへと回り込み隙を伺っていたのだった


「植物にそんな知恵があるはずがない」


「そんなものも分からないのか我と植物は一体化しているならばその考えぐらい分かるであろう」


悔しそうな顔をしながらコンマラスを睨めつける


「じゃーの、、勇敢な戦士よ」


3本の植物が再びロンに向けて放たれる

しかしその時ロンは不快な笑みを浮かべた


「残念だったな!勝ったのは私の方だ!これが私の固有魔法」


領地はんい異空間テレポート


【領地の異空間】とは決められた範囲の中で人と人が一瞬で入れ替わる技だ……だが【交換】はまた違うものでもある


【交換】は近距離でしか使えなくそれも相手をしっかりと想像しなければならない為使い勝手にはとても悪い


逆に行けば【領地の異空間】は想像は無し遠距離でも中距離でも使える為こちらの方がかなり使い勝手がいいのだ


「……なっ!?」


場所を交換されたコンマラスはそれに驚く


「ふはは!だか言ったでしょ?勝つのは私達だと!」


「なーんてのう……所詮この程度か」


先程まで動いていた植物はいきなり動きを止めた


「なんで!さっきまで動いてたのに」


今度はコンマラスがニヤッと笑みを浮かべた


「この技は儂が操ってるんだ……止めるのも当たり前だろう」


「………なっ……なっ、、なんですか!それは反則ですよ!?」


「うるさいぞ!それに……そろそろ終わりにしよう」


コンマラスに向けていた植物は再びロンへと座標が変わり一気に打ち込んだ


「私が負けるだなんて……」


「貴様の負けた原因は2つだ!勝つという宣言をしたことと我が主を侮辱したことだ!よく覚えておきなされ」


聞いているのか聞いていないのかの間でロンは気絶をしたのだった

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