第85話 訓練の成果
フリュウは俺に向かって拳を出してきたがそれを足で蹴り飛ばす
続いて今度は俺が顔面に拳を直撃させた
だがーーその拳はフリュウに止められていた。
「化け物かよ」
いくら身体能力を使ってないとはいえど攻撃速度は速いのだ
そう簡単に取れるものでは無い
「おらぁぁ!」
そのまま俺の拳を掴んだフリュウは思いっきり回り俺を投げ飛ばすと空中にジャンプをする
「来たれよ風吹くわ旋風ことごとく切り裂け!〘風裂〙」
風属性魔法を使い風で生み出さた刃を俺に向けて放つ
フリュウは魔法専門じゃないが威力は人一倍以上あるのだ
それをむやみに食らうと身体はすぐに傷つく
風属性魔法をギリギリで避けすぐに地面に足をつける
あいつは腕力だけじゃない……魔法やその他の全てが威力が強い
「油断は……出来ないな」
前よりだいぶ強くなっている……この数日でどうやらだいぶレベルアップした様子だった
にしても……ここ以上に蒸し暑いのだ
「暑いか?ならそれは俺様から発生した蒸気だ」
「蒸気?」
するとフリュウからは謎の蒸気した空気が上へと上昇している
でもそれだけではこんなけも暑くならないはずなのだ
「俺様の蒸気は空気すら暑くさせてしまう程の力を持つ」
やっと俺は理解した。
どうやらこいつはこいつだけの固有魔法らしい
それなら何故いままでその固有魔法を使わなかったのが謎だった
「ならなんでいままで使わなかった」
「俺様の魔法は固定された空間でしか発動させないんだよ!なんせ外でやると空気が逃げていきその暑さは次第に消滅されるがこの訓練所では密室され空気が逃げない……つまり俺様の固有魔法が発動できるいい機会なんだよ!」
速く倒さないと……暑さで気が狂いそうだ
〘
水属性魔法を行使しフリュウの頭の上から魔法を発動させる
勢いのある滝のような水が襲い全身が大量の水で埋もれる
「こんな程度か」
水の中からフリュウがそう呟くと一気にフリュウを囲んでいた水が蒸発をすると周りに垂れている水も全てが蒸発し消えてなくなった
(なんだと!?こいつ……ここ数日の間でどこまで成長を……)
いや違うか………成長は確かにした、だがそれだけでは無い
こいつの持つ固有魔法がこの戦闘で1番の有利となっているんだ
水属性でやろうとしても奴の蒸気で蒸発し全てが無に帰る
ーー今になってわかった……フリュウは分かっていたんだ
この空間は俺にとって最悪の敵になるっとそして奴にとっては有利になると言うことをこの場所に来てから知ったんだ
「ふん!」
瞬時にフリュウは俺の目の前に移動し思いっきり拳を腹部に打ち込む
「かは!?」
少しよろめつきながらも体制を整える
(まさか……たった一つの固有魔法でここまで差を埋められるとは)
俺には固有魔法が無いのだ
ーーだからこそ自身の魔力や魔法、剣術や武術も磨いてきた
やはり固有魔法と言うのは己に込められた価値なる存在だった
(別に固有魔法が無くても悪魔達のように強くなる奴もいる)
そうーーだからこそ素悪魔や翠悪魔・黎悪魔それに緋悪魔は強かった
傷を負いながらも何とか倒した俺も少しは成長したはず
でも……フリュウが持つ固有魔法は蒸気した空気で水属性魔法を無力化するだけではなく相手の体力を暑さで減らすことも出来るのだ
しかしその暑さを自身の糧とし身体能力強化代わりとして活用も出来る
(チッ……これからどうするか)
〘回復〙
一旦奪われていた体力を少しだけ回復させ冷静を保つがそれも少しの間だけなのだ。数分経てばまた暑さのせいで気が動転すると俺は確信する
(なら!ここで一気に決める!)
〘縮地〙と〘姿消〙を使い腹部に向けて思いっきり力を込めて打ち込む
鈍い音がし手応えは大ありなのだ
「ふん!石っころよりかはマシだな」
「まじかよ」
【姿消】で消してるにも関わらず俺の位置がバレフリュウは少しの苦笑いを浮かべる
「はやく俺様に攻撃を当ててみろ!俺様を倒すんだろ?」
「あぁ……いいぜ!ならその巨体が動かなくなるまで攻撃してやるよ!」
〘第3式 雷翔星〙
高速な雷がフリュウを襲い道は断たれ残るは敗北のみ
そんな中になろうともあいつは足を動かす
(第3式の中で動けるとは……)
〘
歩けなくなる程の重力魔法を掛け推し潰そうとする。
案の定流石のフリュウでも【重力】には耐えられないらしく地面にめり込む
「さぁ!さっさと諦めろ!もうお前は負けだ」
「俺様の負けだと?戯け俺様の魔力は無限!言うならば最強」
最強か……確かに強いだけどあいつら悪魔達の方がよっぽど強かった!
フリュウに向かって走り出し近づいていくと俺は大きくジャンプをすると同時に【異空間収納】から2つの剣を取り出す。
(1つは俺が作った剣……そしてもう1つは親父が愛用していた剣)
親父……つまり現国王陛下が昔、冒険者だった頃に使用していた剣
それを俺はこの間実家に帰った時に持って帰ってきた。
(耐えれるが分からないけど壊れたらすまん!親父)
「はぁぁぁ!!」
《
胸の所に俺の剣を使い切り込んだ
この技は斬られた者に静かなる火を体で燃え焼き尽くす程の苦痛を与える技
「うっ………ぐっ!?」
(効いている……しかし与えたダメージ数の差が激しすぎる)
こっちは持ってあと数分という所だろうかしかしあいつはまだ体力を持て余してある
(ここは……一気に決めるしかない!)
「小癪な真似を!」
〘
「くっ……!貴様これで俺様を騙せるとでも?」
「あんたはそれに騙されてるんだよ!」
そのまま本体である俺は思いっきり足でフリュウを蹴り飛ばす
「さぁ……一気に決めんぞ!」
壁から壁へジャンプを繰り返しながら移動しフリュウの気をそらせる
まだだ……まだまだまだ
「己〜!我に求めし火の精霊をここに示せ!〘火球〙」
(ここだ!この一瞬に全てをかける!)
双剣にして数百人もの人達を蹴散らした伝説の技
《
一瞬なる時も切り刻み最後は無と返す技
これであればフリュウは流石に立てないのだ
煙が邪魔をしてフリュウの確認を倒したという確認が出来ない
「ふぅ……何とか間に合いましたね」
俺は絶句した。何故こいつらがここにいるのか……
「ロン!クリュウ!なんでお前たちがここに!?」
「おやおや!不味かったですかね?でも不愉快」
「やぁ!久しぶりだねぇ〜!今度こそ俺が蹴散らしてあげるよ」
事と次第によってはこいつらと俺は厄介な事になりそうだ。
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