第56話 冒険者としての初活動

ーー早朝頃俺はベットで目を覚ますーー


服を着替えて食事を終え部屋に戻るとザァベストが起きてくる。


「なんだぁ?オストその格好どこか行くのか?」


「あぁ冒険者ギルドに行くつもりだ」


「そうか……じゃあ俺はもう一眠りするからおやすみ」


「お、おうおやすみ」


こいつまだ寝るのかっと思ったがまだ朝の6時半ぐらいだ、仕方ない。


支度を終え寮を出ると目の前でランニングをしているシルクとブレアがいた


「お前たち何してるんだ?」


「オベスト……あんたこそ何してるの?」


「いやぁ俺はちょっと行く場所があってさ」


「えぇー!オー君どっか行くの!?なら連れて行ってよ!」


シルクはまるで好奇心旺盛の子供かのようにはしゃぎ目を輝かせる


でも今回は連れては行けないのだ……冒険者といえば魔物や他に危険なことだって沢山ある。そんな所にシルク達は連れては行けなかった


「シルク達は連れて行けないんだ……悪いな」


「うぅ、、」


「それじゃあブレア、シルクを頼んだぞ」


「うん」


俺は「じゃ!」っと言い残しその場を後にした。


冒険者ギルドに着きドアを開け中に入る


「オベストさん先日ぶりですね!」


「ウィンズさんおはようございます!」


やっぱり目に入れても痛くないほど綺麗な人だな………。


「ではこちらに入ってください」


ウィンズさんに言われるがまま俺は部屋に入りソファに座る


「いまからギルドマスター呼んできますのでこれでも飲んで待っててください」


そう言って目の前には懐かしい匂いをした飲み物を置くとギルドマスターを呼びに部屋を出た


「これは………」


そのカップを持ち1口飲むとやはり懐かしい味をした飲み物だった。


「コーヒーか……にしてもまさかこの世界でも出会えるとは」


その正体はコーヒーだったのだ。そのまま優雅にその味を楽しむ訳もなくコーヒーを飲み干した

でもこの世界でもコーヒーは存在するんだ、また今度作ってみるか


ーーそれからしばらくしてウィンズさんとギルドマスターが部屋に入ってきた。


「久しぶりだな!オベスト」


「って言われてもまだそんなに時間経ってないですけどね」


この人時間感覚狂ってんのか?っと思うがまぁそれは心の中に閉まって置く


「そんな事よりもだ……はいこれ冒険者カードな」


「ありがとうございます!」


手に渡されたのはまるで証明書みたいなカードだった。


名前・魔法種類・二つ名・ランクこのような事がカードの中に記入されていた。


「ってちょっと待ってください……なんで!二つ名がコンシューマーなんですか!?」


「だから言っただろ?お前は5つ以上の魔法種類を使えるからその称号が得られるって」


「まぁ確かにそうですけど」


それにしても、二つ名がこれってダサくないか?


「とりあえずだ、今日からお前もこの突灯ギルドの仲間だ!」


突灯ギルドって名前なのか……俺は疑問に思ったがこの人の事だ意味もなく付けた名前なんだろうな


握手をし再び注がれたコーヒーを飲みながら冒険者カードを見る


「あっ!そういえばウィンズさんこれって」


コーヒーの方を見るとウィンズはそれに気づいたのか顔がいきなり明るくなった


「それはですね!コーマーといって豆から取れたものを潰しお湯を入れるとそれが出来るんですよ!それでですね、なんと!甘くすることも可能なんですよ!凄いですよね!ギルドマスターもこれにまったく気づいてくれないんですよー!」


「あははは」


俺はギルドマスターが座っているソファにずっと座り小声で喋る


「ウィンズってまさかこのコーマーってやつにハマってるんですか?」


「全くその通りだ……お恥ずかしいながら」


「なるほど」


しかしこれは前世でも知っているコーヒーというものだ……でもなんでコーマーって名前なのだろうか……まさかこの世界にも俺と歩美以外にも別の誰かが来てるのか?。


いやそんなわけないか………。


「じゃあとりあえず、また明日あたりにクエスト受けに来ますね」


「あぁその時はたのーー「ギルマス!!!」」


高い声で男の人がギルドマスターを略しながら呼ぶ


どうやらただ事ではないらしい


「どうした?」


「実は大魔境で魔物の群れが大発生してるんですよ!」


「どうせ少ないんだろ?」


「いえ!何万いえ何十万という数の魔物がこちらに向かって押し付けてきてるんですよ!!」


「本当なのか!」


ギルドマスターはそのまま部屋を出ていった


「俺はどうすれば」


「そのままお待ちください」


この人俺を逃がさない気だな……そう思ったが既に遅かった


ーー数分後


「オベスト!」


「ん?」


ギルドマスターは青ざめた顔をしながら俺のところにやってきた


この人の顔色を伺うまでもない……魔物群れと言ったら……


「スタンピードが発生した!」


だろうな……


「大魔境か……」


基本的にスタンピードが起こる原因としては魔物の死骸やまたはドラゴンや格の高い魔物がその場所を占拠した場合に起こることが多い。


だがーーあそこは殆どの魔物が格の高いやつで集まっている。そんな簡単に占拠出来るか?っと思うと俺の頭にあることが過ぎった


(コンマラスとベクトロンお前たちあの魔物たちの死骸は何時間置いたままだった?)


念波を使いコンマラスに聞く


(確か3,4時間ぐらいだったか?)


確かにそれぐらいなら魔物の死骸に釣られて来た可能性は高い。


「分かりました俺が見に行きます」


コンマラス達がしたことだ……責任は俺にある


「あぁ頼んだぞ」


俺はすぐさま大魔境へと【転移】で向かった。

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