第55話 無詠唱の基本
あれから俺は寮に帰ったがその後も全く眠れずすっかり日が上り朝になり椅子に座っているとザァベストが眠たそうな顔とねぐさが酷い有様の状態で起きてくる。
「ふぁ〜おはよう……オスト」
「あぁおはようさん」
ザァベストは目を擦りながらベットから降りる
「お前……まず顔を洗ってこいよ」
「そうする」
そう言って洗面所に行き顔を洗うと私服に着替えた
どこに行くんだ?っと思いきや「食堂に行くか」っと呟き俺まで連れて行かされた
食堂に着くとザァベストはさっそくに大量の肉料理を食べ始める
「いやぁこの時間帯は人も少なくて助かるよな」
「まだ6時半ぐらいだけどな」
とはいえ早起きはいい事だ、なにせ早起きは三文の徳と言うしな。
「それでさ!今日は学校ないじゃんか?」
「あぁ」
「んで!頼みがあるんだよ、俺に無詠唱魔法を教えてくれね?」
無詠唱魔法だと?確かに詠唱と違って無詠唱は頭の中でイメージをするだけでいいから簡単だけど想像力がないと使えないんだけどな
「まぁいいけどお前って想像力とかあるのか?」
「あるんじゃね?知らんけどな、アッハッハ!」
「馬鹿だ………」
だがザァベストがもしも無詠唱で魔法を放つことが出来れば今後、もしエミリア達に何かあっても安心して任せられる。
それから食事を終え俺達は寮の裏側にある訓練所で訓練することにした。
流石は魔法学園だ…設備や壁一体全てに魔法衝撃吸収が付与されている
「なるほど……ここなら多少の無茶をしても良さそうだな」
俺はザァベストの方を向き「そろそろ始めるか」っと声を掛け訓練をすることにした。
◆
「無詠唱のコツとしてまずは頭の中でのイメージだ」
「イメージか、例えば相手を転ばすなら転ばす的な?」
「ちょっと違うな……まず前提としてそうだな、火属性魔法を出すとしたらザァベストなら詠唱なしでどんなイメージをする?」
「そうだな……やっぱり敵を燃やすから燃やすイメージかな?」
俺は片手を前に出し目の前に炎を出す
「例えばこの炎が燃やすイメージをして相手に撃つともちろん相手は燃えるがそれとは正反対に燃えないとつまり相手が燃えないイメージをすればどうなると思う?」
「もしかして、炎が身体に付いても熱くないってことか!?」
「あぁその通り、つまりどうイメージするかで魔法は変わる。炎を纏った槍の魔法なら槍に炎を纏うイメージをすればいいし空を飛びたいなら風属性魔法で足元に風を巻き起こすイメージをすればいい」
魔法というのはその人の考え方で全てが変わる。
ザァベストがどんな想像をしどんな魔法を出すかは不明だけどそれは楽しみでもあった
「それじゃあとりあえずやってみるか」
「あぁ!」
ザァベストは訓練所にある的の前に立ち両手を広げ黙り込む
まずは……両手に魔力を込めてイメージを頭の中で浮かばせるってオストが言ってたな……
とりあえずは初歩的な魔法として火属性魔法にするか
燃える炎をイメージしそれを両手に込めてある魔力を魔法に変換する
ーーすると
〘火球〙
早いスピードで的に当たるとそれは燃え尽き跡形もなく消えてしまった。
「それが無詠唱と言うやつだ、便利だろ?」
「あぁ…確かにイメージは必須だけどそれさえ分かれば!」
「じゃあ今日は一日ここで練習でもするか」
「頼む!」
俺とザァベストはその日朝から夜まで訓練所で訓練をしていた。
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