第41話 階層は快走しましょう!
コンマラス達との契約を終えその成長を見た俺は再び閻炎魔が居る部屋へ行くことに決めた。
「にしても……ほっんとこの通路長いな…」
辺りを見渡しながら歩き続ける俺。
長い廊下を歩いているとドン!っと扉を叩くような音を上げて四方八方から悪魔たちがゾロゾロとやってきた。
「なんだこいつら!?」
慌てて俺はその場所を逃げる。
(取り敢えず四方八方から来てるし避けないとな……)
俺はジャンプをし悪魔達の後ろを取る。
「にしても…この人数何人の悪魔がいるんだよ」
その時、目の前にいた大柄な体をした悪魔がこちらに向かって火球を放つ。
(そうだ!試してみたかったやつを今してみるか)
俺は【異空間収納】から昔作った剣を取り出した。
(これは…昔俺が作ったこれを使う時が……)
そう。5年前に俺が作った自慢の剣、名を『風姫の剣』と呼ぶ。
これには殆ど無限の付与魔法が付与できるのだ。
「ぐあああああ!!!」
奇声を上げながら飛んでくる悪魔。しかしそれを俺は綺麗な切りで悪魔を真っ二つにする。
(よし!剣の勘はまだ大丈夫なようだな!ならこの調子で!)
俺は久しぶりに使う剣を使い悪魔達を切り裂いていく。
すると、念波でコンマラスが喋ってくる。
(主 この先にこの悪魔達に命令している奴がいます。)
(おっけ!分かった)
俺は踵に力を入れ思いっきり地面を蹴り走る。
その走る速さが速い為か悪魔達はそれに対応出来ず俺に剣で切り裂かれて行った。
(どうせならあれを試すか…)
クリシスさんとの練習の最中俺が生み出した剣術。
一切相手に悟られぬように切り裂き終わるが如くその全てを一瞬で終わらす技。
《
悪魔達の前から一瞬で後ろに移動した俺は剣を振ると悪魔達の体は粉々になって塵になった。
(ふぅ……なんとか成功したな)
この絶迅はあまり使ったことがないのだ。使い方が難しい為木剣や鉄の剣ではその速さにすぐに壊れてしまうのだ。
「にしても……塵になったとしても悪魔は血とか出るからなぁ」
その張り巡らさた血はボタボタと床に落ちている。
(それよりも早く行こう)
◆
目の前に大きな扉にたどり着いた俺はゆっくりと扉をギギギっと音を鳴らし開ける。
「よくぞ来た!若き人間よ」
「翠悪魔………」
大きな部屋にぽつんと目の前に椅子に座っている翠悪魔リバイタはくっくっくっと笑いながらこちらに向けて拍手をしてくる。
「なにを拍手してるんだ?気持ち悪い」
「そんなことを言うなよ……人間」
「なら早くエミリアを返せ!」
「それは緋悪魔が知っている俺に聞くな……」
「なら意地でも聞き出してやるよ!」
俺は翠悪魔の顔を見ながら睨めつける。しかしそんな事にも動じないリバイタ……。
「さてさてお前はどちらが好きだ?苦して死ぬか…楽して死ぬか好きな方を選べ」
その笑みを浮かべ俺を見つめる。
「俺は……どっちも選ばないだってお前が死ぬからだよ!」
「ほう……俺を殺すと言うか……ならその志見せてみろ!」
俺はリバイタが瞬きしたその一瞬に目の前にいき剣で首を切る。
(よし!だけど翠悪魔はこのままでは死なないはずだ)
すると思惑通り翠悪魔は首が再び体にくっ付く。
「いいぞ!実に素晴らしい!俺は感動した!」
「だからどうした……」
「俺の取っておきを見せてやろうと思ってな…」
リバイタは俺が瞬きをするその一瞬で目の前に移動し手を俺の首に迫るが俺はそれをギリギリのタイミングで避ける。
「ほう。外したか」
(あっぶねー!そうだったこいつは物をなんでも変化することが出来る固有魔法の持ち主だった。)
翠悪魔リバイタの固有魔法、名を【
自分の体の一部や石や土なども全て鋭い剣や盾にも変化することが出来る
なんでもありの固有魔法だ。
(ふぅ…このなんでもありの固有魔法をどうやって切り抜けるか)
魔法封じはその属性だけの話であり固有魔法はまた別なのだ。
つまり固有魔法はどう足掻いても封じることは愚か止めることさえままならない。
「どうした?俺が怖いのか?」
「そんな訳ないだろ……」
口ではそういうものの内心ではかなり焦りは出ていた。
その時、念波でコンマラスとベクトロンの声が聞こえる。
(主…もしよかったら手伝いましょうか?)
(主人よ!我も加勢するぞ!)
(いいのか?2人とも?)
2人はおう!っと答え一緒に翠悪魔を倒すことにする。
「さぁ!ここからは我たちが相手じゃ!」
「ほう?3人で来るか…だがそんな奴らを加えたところで俺には勝てんぞ!」
またもやそのスピードでこちらに迫ってくる。
しかしそれを読んでいたのかベクトロンは手でリバイタを抑え込む。
「ベクトロン……いいのか?巨大してまで……」
「あぁ!これが我の戦闘態勢だ!気にするでない!」
「そうか……なら頼んだぞ!」
「「了解した!」」
かくして俺達は翠悪魔リバイタを倒す為に2人の協力を得ることになる。
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