第42話 必殺奥義

ベクトロンが両手で翠悪魔の攻撃を直で受け止めその後ろからコンマラスが翠悪魔リバイタに爪で攻撃する。


「チッ……いちいち鬱陶しいんだよ!」


「ならもって儂らの攻撃を受けてもらおうか……」


〘王者の爪〙


しかしベクトロンに両腕を掴まれており動けないリバイタは自身で腕を引きちぎり腕を取った。


「なんだと!?」


「まさか俺が腕を引きちぎる事に躊躇いがあるとでも思っていたのか?」


(なんでやつだ……素悪魔とは格段に強さが違う)


「ならこれならどうだ?」


ベクトロンは【龍の息吹】を出しリバイタに迫る。


「ふん……俺がたかだかこれぐらいで死ぬとでも?甘いな」


「なに!?」


リバイタは風属性魔法でベクトロンを吹っ飛ばす。


「ぐは!?」


「ベクトロン!」


ドン!っと大きな音を鳴らしながらベクトロンは壁に挟まる。


「我としたことが……これでは最強と呼ばれる存在も悲しくなる」


その『最強』という言葉に反応したのか小さく口を開く。


「最強か……俺の前ではお前ら地上の奴らは雑魚にも等しいのだ!」


「ならお前は我を超えるとでも?」


「当たり前だろう…お前みたいな龍などに最強の座は相応しくない」


「貴様…我を侮辱するか……」


ベクトロンはその挑発に乗り大きな翼を広げてリバイタに襲いかかる。

だがーーリバイタはそれを軽々しく風属性魔法の【風空ふうくう】で壁を作り衝撃を全て受け流す。


「この程度か?」


さらにリバイタは空風に魔力を注ぐと大きな盾ができベクトロンを押し倒す。


「ぐはっ……!!」


「最強を名乗るのならば俺を倒してみろ」


「くっ!……なら我の取っておきを見せてやろうか?」


「いいだろう?せっかくだ、俺を楽しませろ!」


その時、ベクトロンの前にコンマラスが立ち塞がる。


「邪魔をするな!コンマラス」


「お前だけでは奴には勝てんぞ!儂も協力する!」


「悔しいが致し方ない……分かった」


2人は再びリバイタの前に立つとまずはベクトロンが上空に羽を広げ羽ばたく


「我の最強を用いて最凶の技を見せよう!」


(ベクトロンのやつ……一体なにを)


「己に秘められし本質の力を現れ駆けよ!」


ベクトロンがそう詠唱をすると下から大きな竜巻がベクトロンの周りを囲い見えなくなる。


「何をする気だ……龍よ……」


リバイタが質問をするもベクトロンには全く聞こえていない様子。


その時、ベクトロンの周りを囲んでいた竜巻は1箇所にまとめられていく。


そう。 ベクトロンが生み出した最強とされる魔法だ。


「我が主人の足を貴様ごときが止められるはずがないのだ!」


大砲の方な魔法に竜巻がどんどん吸い込まれていく。


風疾大ふうそうキャノン


大砲のような形をした魔法に吸い込まれた風は全てリバイタに向けて発射された。


「ベクトロンあれで行くぞ!」


「分かったぜ!」


コンマラスは周りにある壁を利用しベクトロンの羽に飛び移りジャンプをすると技を繰り出す。


「天命に来たれし熱より熱く高温にも高く!今ここに来たれ!」


コンマラスの周りにはいくつもの魔法陣が現れその身を焼き尽くすほどの熱さを持ちその熱さは何万度も行くとされる魔法。


炎煉獄破壊インフェルノブレス


その魔法陣から放たれた炎はベクトロンが撃った風疾大砲とぶつかり合うとそれは合体し1つの魔法としてリバイタに向かう。


その最強の魔法……


それをーー


コンマラスとベクトロンが大声で魔法の名前を呼ぶ。


風疾破壊ふうそうブレス


っと呼ぶ。


その技は物凄いスピードでリバイタに迫り来るがその一方リバイタは微塵も焦りが見えない。


リバイタは右手をスっと上げ風疾破壊とぶつかり衝撃波が俺のところまで流れ込んでくる。


「この衝撃波でリバイタは焦らないのか………」


「主よ……リバイタは多分これでは死なんぞ!」


「魔力がまだ見えるしな……」


「あぁ……」


その煙からは負傷したリバイタが現れる。


「ほう……この俺を傷つけるとはな」


無くなった右手と穴が無数に空いている体の状態でリバイタは出てくる。


だがその負傷はすぐに再生した。


「チッ………」


「主人よどうするか?このまま我らが」


(考えるんだ……このまま2人に任せても勝てる保証はない……なら)


「いや大丈夫だ!ありがとうな2人ともあとは任せろ!」


俺はリバイタを前にし歩き出す。


「なんだ?次はお前か?」


「あぁそうだ!」


「面白い!なら先手は譲ってやろーー」


俺はリバイタが言葉を遮り第1式をリバイタに向けて撃つ。


まるで核爆弾かのように大きな爆発の衝撃波が俺やコンマラス達に襲うが問題はそれを直でくらったリバイタだ。


煙はまるでアイツを囲むように見えなくなる。


しばらくしーー中からは人影が現れる。


「ほう……これは中々いいんじゃないのか?」


「これでも死なないのか……お前は」


「あぁそうだとも……俺を倒せるやつなど居ない!」


そして俺の拳とリバイタの拳がぶつかり合い凄まじい衝撃波が壁中に投げれ込みヒビが入るのだった。

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