第40話 閻炎魔の過去
俺様……いやあたしには後悔している過去ぜんせが沢山ある。
その中でも1番後悔してもしきれないものがあった。
それがーー前世の頃のあたしのお兄ちゃん。
あたしのお兄ちゃんは見た目や成績は普通であり勿論、運動神経もそこまで出来る人でもなかったが代わりにあたしには沢山の愛情をくれた唯一の存在だった。
前世の頃のあたしは反抗期では無かったものの会話をするかといえば挨拶のおはようやおやすみ程度の会話しかしていなかった。
それもあるのか日に日にお兄ちゃんは暗くなっていき次第には『俺も陰キャかと呼ばれる部類に入ったか』っと独り言のように呟いていたことをたまたま偶然私は聞いたことがある。
だがどんなに暗くなろうが明るいだろうがあたしのお兄ちゃんである事には変わりはなかった。
それにお兄ちゃん自身も私やあたし達の両親を愛していた。
だがーーお兄ちゃんは両親によって殺された。
そう。あたしはお兄ちゃんを守る為にお兄ちゃんの前に立ち守った。
しかしあたしは義父さんにより首を絞められ気絶をした。
次に目を覚ますと目の前には義父さんとお母さんが立っておりあたしが「お兄ちゃんは!?」っと聞くと笑ったかのように義父さんは「あいつなら殺した」っと言われた。
その時、あたしの中にいた感情が一気に爆発し台所にあった包丁を持ちまずは母親を殺し次にお兄ちゃんを苦しませながら殺した義父さんを同じように
苦しませながら殺した。
そこであたしは意識を取り戻した。
しかし人間というのは不思議なもので感情そのもので動いても記憶には両親を殺した記憶が確かにあった。
「あぁあたしお兄ちゃんの仇を取れたんだね」っと呟きながらまた呟く。
「待ってて……お兄ちゃん……」
手元に持っていた包丁を首に持っていき勢いよくグザっと行く。
首は地面に落ちそのまま私は意識を失った………。
◆
次に目を覚ますとそこはよく分からない王城であり目の前には翼が生えた
者がその場で伏せておりあたしは混乱した。
「なんですか!?貴方達は!」
あたしは困惑になりながらも緑の翼を生えている悪魔に聞く。
「貴方様は私達の主人ですけど?」
「主人…………?」
「あぁー!そうですぜ?閻炎魔様」
「おい!素悪魔フリート……黙れ!」
「チッ……仕方ねーな」
渋々と白い翼を生えた悪魔は地面に伏せる。
それからあたしはこの4人の悪魔達から色々なことを聞いた。
どうやらーーあたしは痛みさえ感じるまもなく死んだらしいのだ。
いやどちらかと言えば死んでこの世界に転生したのだろう。
そして目の前にいるこの4人は私に仕える悪魔達……それを4柱と呼ぶと言う。
素悪魔・緋悪魔・翠悪魔・黎悪魔
このように4人は色で分かれており初めて柱という存在が成り立つ。
そんなあたしは何故か閻炎魔という名を持ち前世の記憶を持つ人になってしまった。
◆
それから歳月は過ぎて行き転生してきてから約10年という歳月が経った。
私は相変わらず4柱達に任せきりであり何をするにもすぐに飽きてしまう性格となってしまった。
でもそんな私でも唯一の楽しみが出来た。
それはーー
空想の中でお兄ちゃんとイチャイチャすることができるようになった。
だがあくまで空想の存在……その穴を埋めるには今のあたしでは無理だった。
あたしはいつかお兄ちゃんに会いたい………もしお兄ちゃんがこの世界に転生してるのならば来てくださいと願うばかり…………。
ねぇお兄ちゃんはいまどこにいるの?いまなにをしてるの?お願い早く囚われの籠にいる私を救って下さい……………。
あたしは再び目を瞑り眠ったーー。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます