第7話 従魔 前編

お披露目会が終わり、俺はクリシスさんとの剣の訓練が始まり1週間が経過した。


相変わらず俺は、クリシスさんとの訓練の際…剣術に毎回驚かれてることは変わらなかった……


「さぁオスト様今日はこれで終了です」


「わかりました」


今日の訓練が終了するとクリシスさんはやりきった顔をしながらタオルで汗を吹いていた。


「相変わらずクリシスさんは強いですね」


そう言うとクリシスさんはクスっと笑った


「それオスト様が言います?誰一人として私から木剣を取れなかった人がいなかったのに初めて取られたのが5歳児って……」


「あはは」


最強の騎士団団長だが俺にはクリシスさんには度々隙があるように見えた。


「クリシスは魔法って使うんですか?」


「使ってないですよ」


「そうなんですか?」


「私は昔から魔法系は苦手で…あはは」


(通りで魔法を実践中に使わなかったわけだ)


俺とクリシスさんが会話で楽しんでいると騎士団の兵士が中庭に来てクリシスさんを呼び出した。内容は教えてくれなかったが多分俺の事だと俺は悟った。


「それじゃー私は行きますね!オスト様も気をつけて」


「はい」


俺は暇になり、暇つぶしに森を探索しようとし門番にバレないように〘転移〙を使い森にテレポートした。


「さてとこの間みたいにアリスにバレたら面倒だし今日早めに帰るとしてなにしようか」


(魔法訓練をするとしてもここは大森林の真ん中じゃないから大きい魔法を放つと街の魔力感知が反応するしな)


宛もなくただ森を歩きながら考えていると…森をぬけ目の前には綺麗な泉があった。


「泉じゃん!!デケーー」


底まで見える綺麗な水に俺は目をキラキラして見ていると後ろからトントンっと肩を叩かれた。


「誰だ?!」


俺はすぐ後ろを振り向き魔法陣の準備を最速でしたが目の前にいたのは2m位ある大猫だったのだ。


「なんだ猫か……それにしても猫ってこんなに大きかったけ?ってあれ?どこかで見た気が……」


確か…Honmantogameで出てくる最初のボスのあいつに似てた気が……。


(思い出した!そうだ!超難関クエストのボスとして登場するキャラのコンマラス!)


超難関クエストとして出てくるボスであり…ダンジョンの王として有名になり…キャラ調整入ったぐらいの難関クエストだ……俺もあれには苦労をした。


(しかしなぜそんな、ボスがこんな所に……)


俺はニコニコしながらコンマラスに近づくといきなり俺に〘フラムレクス〙を食らわしてきた。


フラムレクス…炎魔法として古代魔法の1つであり扱うものは数少ないと言われる。


「あっぶね〜」


俺は瞬時に〘シールド〙を張り塞いだ。


「何すんだよ!!いきなりフラムレクスは駄目だろうが!!」


俺はコンマラスに対して怒っているといきなりコンマラスが喋りだした。


「人間よここから去れ」


しかしそんな言葉に俺は聞く耳も持たず俺はぽつんとしながらコンマラスを見ていた。


しばらくし俺は、はっ!?っと改めてを見るとコンマラスが再び言葉を放ってきた。


「人間よここから去れ」


「え?なんで?」


俺は疑問に思いコンマラスに何故去れなければ行けないのか聞いてみた。


「お主は人間だ。しかも子供にはこの魔素の瘴気は濃すぎる」


「魔素?そんなものあるの?」


俺にはさっぱり分からなかった。魔素なんて聞いたのいまさっきが初めてだし…魔素が濃かったら俺が気づくだろう。っと思ったがどうやら泉には他の動物やモンスターは寄ってこない様子だった。


「要は魔素が悪いってこと?」


「うむ」


「魔素が無くなれば居てもいいの?」


「大人は別だがお主は純粋な心を持っているから無くなったら良かろう」


どうも物分りがいいコンマラスだったようだ。俺はこんな綺麗な泉は勿体ないっと思い

俺が今持ってる中で最強の魔法とも言える魔法を使った。


〘魔法創作〙


(魔素が無くなればいいんだよな?なら……魔素がこの辺り周辺だけ無くなるようにして……あっでも無くなったら魔素は魔力に変換されるから消滅させるのも勿体ないか………ならこれだな)


俺は脳内でイメージを作り魔法を作った。


「それじゃー離れててね」


俺がそう言うとコンマラスはスっと後ろに下がり俺を見守った。


「んじゃま〜行くぞ!」


俺は泉に手を向け魔法を唱えた


〘魔素吸収〙


名前の通り…空気中にある魔素を一定の範囲内で吸収する魔法だ。

俺は魔法を発動すると少しずつ魔素が吸収しどんどんと魔力に変換された。


(ここら辺でステータスでも見とくか)


「ステータス」


俺はステータスと唱え目の前に表示させた。


オスト・ベンフォント


『魔力』 105426/105426

『体力』280/280

『レベル』20

『魔法種類』

火属性魔法 闇属性魔法 雷属性魔法

風属性魔法 光属性魔法 無属性魔法

水属性魔法 土属性魔法 氷属性魔法


『転生ポイント』

0/1000


俺はその異常な魔力数を見てめっちゃくちゃ驚いた………しかし2度目のステータスを見る今日この頃!!俺はしっかりと意識を保った。


「まぁーでも本当に異常だよな……」


ステータスを見ながら絶句する俺を見ながらコンマラスは近づいてきた。


「お主は人間か?」


野暮から棒にコンマラスは俺に質問してきた


「当たり前じゃん?俺は普通の人間だよ」


「嘘つけ……お主の魔力……異常だな」


「うっ………」


言い訳はできなかった……なぜなら本当に異常だもんっと俺はギクッとした。


「まぁー良いお主には助けられた」


「え?」


「儂はここを狩場としていてな獲物が寄らなくなり代わりに魔素が溜まってきたのだ」


「え?でも元々魔素があったからなんじゃ………」


「そんな訳がなかろう……この泉は特殊でな……一定のモンスターや動物が現れないと魔素がどんどんと濃くなっていくのだ」


(つまりどういうことだ?一定の魔物や動物が現れないと魔素が濃くなるって…)


俺はよく分からなかった。何故魔物とかが来ないと魔素が溜まるのかが。


「なんで魔物とかが来ないと魔素が溜まるんだ?」


「この泉は水を飲みに来た魔物たちにより常に空気中の魔素が身体に入り魔力に変換してくれるんだがそれが来なくなり吸収される身体がいなくなったからだ」


「つまりそれで魔素が濃くなったと」


要は人間の酸素と二酸化炭素と同じと言うことか……


「あぁ」


なるほどそうだったんだな……俺には感じなかったけど魔素が濃くなったのか……

俺は話を聞いていくうちに手助けしてあげたいという気持ちが顕になり、大猫に申し出た。


「ならさ俺がその魔素がたまらないようにしてあげようか?」


「え?出来るのか?そんなこと……」


「勿論」


(なんせ俺には前世の記憶って言うチートがあるからな……)


俺は無属性魔法の〘異空間収納〙を使い中から魔石を取りだした。

4歳の頃…転移した時目の前に魔物がおりその時にゲットした物だ。


「さてと魔素を少なくすればいいんだよな……」


「お主、子供とは思えんほどしっかりしてるな」


「俺は子供だよ…まだ5歳児だしね」


「5歳だと……神童か?」


「そんな訳ないじゃん」


そんな会話をしながらも俺は魔石に向けて魔力を放つ。


(とりあえず魔素って前世の頃の酸素的な感じだよな……なら空気洗浄機をイメージしたらいいか)


俺はお得意の〘想像創作〙で空気洗浄機をイメージしその想像を魔石に注入させた。


すると魔石はみるみる形を変えていきあっという間に空気洗浄機らしきものが完成した。


「えっと魔石の形を変えて物にするってやり方は初めてしたけど上手くいったな」


(ってそれよりもちゃんと機能するかどうかだな……って相変わらずボタン配置とかはそのまんまなんだな……まぁ俺が想像したやつだし仕方ないか)


俺は前世の頃の空気洗浄機のボタン配置を思い出しながらポチッと押した。


すると空気洗浄機は魔素吸収機となり少しずつ魔素を吸い込んだ。


「お主、これでいいのか?」


「んぁ?あぁこれで大丈夫だぞ」


「なら儂も遠慮なく魔物が狩れるな」


「それが原因で来ないんじゃ………」


「そうなのか?」


コンマラスは何故…魔物や動物が来なくなった原因が分かっていない様子だった。


「コンマラスが魔物とかを狩りすぎて来なくなったんだよ?」


「そうなのかってお主何故儂の名を知ってるんだ?」


「あっ…………」


(しまった!……うっかり口を滑らせてしまった……やらかしたァ)


俺は焦りながら弁解をした。


「いやぁまぁ〜俺には魔法が使えてさそれで〘鑑定〙って言う魔法を作ったんだ」


「まぁそれなら分かったが儂が誰だか知っていて言ってるのか?」


「知らないよ」


勿論嘘であるが…ここでまた知っていることを話してしまうと疑われてしまうので黙っておくことにした。


「儂はダンジョンのボスのコンマラスだ……」


「それって何百年もクリアされてないって言うやつでしょ?」


「ん〜お主はやはりなにか裏があるような……」


「…………っ」


勿論、コンマラスは何者だとかは知っていたが疑われないように一応ビクッっとおどついたが一か八か黙せるか笑って見たがどうだろう。


「…………」


無理でした。


コンマラスは不思議そうにこちらを見てくる。


「俺は別に隠し事なんてないよ」


「やはりお主は不思議な人間よ」


「そうかな?あはは」


なんとか騙したが次はヘマをしないようにしよう!っと俺が誓った日であった。


「それじゃー魔素吸収機はここに置いとくからさ」


「それは助かる……」


「いいって」


俺はそろそろ時間がやばいと思い、城へ帰ろうとするとコンマラスが威嚇しながら泉の方を見ていた。


「どうしたんだ?」


「気をつけろお主……いまから激戦となるぞ」


「え?」


その瞬間、泉の奥底からなにかがくる違和感を覚えた俺は泉に近づいた。


「お主……近寄るな!!」


コンマラスは警告をしたが俺は聞こえずに近寄った。

するとバシャーーンっと水が宙に舞った。


俺はそれに飲み込まれてしまった


「…………っ!?」



「天使め…何故ここに…それにあやつを何処にやった!」


コンマラスは質問をしたが天使は一切答える義理はなかった。


「私は第14使徒のガルシファ……只今より第1使徒のメルトン様の命令によりコンマラスの抹殺を開始します。」

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