第6話 お披露目
遂にこの日が来たのだ…何故なら俺が5歳になりました!っと言うお披露目会
俺は清楚の服を着用し、貴族達の前に立った。
(確かここで挨拶をすればいいんだよな?)
俺はチラッと父さんを見るとニコッと笑いながらこちらを見てきた。
俺は大きく息を吸い込みながら挨拶をした。
「皆様本日はお日柄も良く…よくぞ来てくれました。私の名はオスト・ベンフォントと申します。皆様のお陰で早5年という歳月が経ち成長しました。ありがとうございます」
俺はこんな所だろうっと挨拶を終え貴族達を見ると皆がポカーンっとしながらこちらを見ていた。
(えっ?俺何かやらかした!?普通だと思うけど)
俺の挨拶で一瞬の沈黙はあったがすぐに父さんが立て直してくれた。
「えーみんなこれからもオスト・ベンフォントをよろしく」
すると会場からは大きな拍手が流れた。
そして……。
俺は自分の挨拶を終え…貴族達から挨拶に来て会話を交わすとあとは子供達だけで話してきなさいと親父から放り出された人……
どうもオストです
(ったく俺別に友人が欲しいってわけじゃないのに……父さんめ……)
俺は渋々と会場を歩くが子供達はそれを避けるように俺から逃げていた。
(俺ってそんな嫌われてんの!?悲しくなっちゃう……)
俺ははぁ〜っと溜息をつきながら椅子に座り誰か近寄ってくれないかなっと周りを見ても誰一人としてこちらを見向きもしてくれなかった。
(まぁ〜でもいっか別に……これって派閥?的なもんでしょ?なら俺には関係ないし……興味もないし……。)
どうやら貴族達は親から子へ…そしてそれを繰り返すように派閥が出来ていくらしい
(ってそんなことよりもあいつを探さないと)
俺が1番探さないといけない相手……それはリノア・セレククトだ。
(ん〜貴族達でよく見えないな……)
すると俺の同じ年ぐらいの男の子で金髪の髪型をした子がいた。
それがリノア・セレククトだ。
「いたいた」
俺は向かおうと足を踏み出すがもう一方の足を出そうとした時、俺の足は何故か止まっていた。
(あっ………そういや前世……コミュ障だったんだ)
俺はすっかり忘れていた実は前世では友達が1人もいないただのぼっちコミュ障人だったってことを……。
(あーーー!こんなこと思い出さなくてよかったのに!!)
俺は再び椅子に座ると頭を抱えながらじ〜っとリノアがいる方向を見た。
(クソ!どうする!?別にここでリノアに話しかけなくてもいいが…ここで貴族達に粗相をして奴隷に落ちるまでの期間が長すぎて俺の計画が……。)
そしてついに俺は決心を付けた。
(リノアが粗相をやらかしたらそれを助けに行こう!それで会話が成り立つはずだ………多分行けるよね?)
俺はこっそりリノアを監視し、貴族達に粗相をやらかすまで待っていた。
しかしいくら待ってもそんなものはなかった…しかも見失ったし……。
(え?何で……もしかして俺の知識がうろ覚えなのか?でもそんなはずは……)
悩みに悩んでいると嫌!っと言う貴族達の喧嘩声が聞こえてきた。
俺が見に行くとそこは公爵家の長男……バラト・インドラと伯爵家の長女…シルク・ガァントンが何やら揉めている様子だった。
公爵家の長男…バラト・インドラは100件という求婚を色んな女性にすると言う迷惑行為をしてゲームでも1番の嫌われ者の男だ。
伯爵家の長女…シルク・ガァントンは清潔感があり家事全般ができしかもデレ要素という特徴を持ち多くのプレイヤーから愛され続けたキャラだ。
しかし何故あのシルクはここに?そんなイベは無いはずだが……。
俺はそう思い…隣にいた貴族に話しかけた。
「あれどうしたんですか?」
「んぁ?あれは………ってオスト様!?」
「どうも!ってそれよりあれは?」
「あれはですね…公爵家が伯爵家に求婚を申し込んでるみたいで……」
(確か……ゲームでもこんな感じの分岐ルートがあったよな……)
俺は冷静になり考えてみた。何故リノアを見失い…シルクが出てきたのか……。
あっ……っと気づいた。
(確かストーリーとは違うまた別のストーリーが来てしまったのか……)
「でもどうしたものですかね?このままではせっかくのパーティが台無しです」
俺の横にいた貴族の顔を見ると不安そうにあいつらを見ていた。
(あまり目立ちたくはないが……仕方がないな……)
俺は2人の仲裁のために貴族達を避け近づいた。
「お前たちそこでおしまい」
俺は2人のど真ん中に立ち言い合いを止めた。
「他の人から聞いたけど2人とも駄目だよ?」
するとバラトはそれを挑発するように言ってきた。
「あぁ?王子かなんだか知らんがただの第3王子で調子乗るな!」
俺はその言葉に少しキレそうになったが冷静に落ち着いた。
(落ち着け……相手はまだ5歳だ……いや俺もか……だが俺は肉体は5歳でも精神は17歳だ。)
大きく息を吸い込み改めて言い合いをとめた。
「俺は第3王子だけどバラト君がしてきた悪行をいままで全てさらけ出すことになるし公爵家の階級も無くなるかもよ?」
「ぐっ………」
バラトは自分の悪行がバレたらまずいのかして何か言いたげにしながら1歩後ろに下がった。
俺は溜息をつきながらシルクの方を向き言葉を放った、
「シルクさんごめんね…せっかくのパーティなのに」
「い、いえ……こちらこそ」
(よくできた子だ……でもいつからツンデレになるんだっけ?幼少期はまだ優しくて可愛い子だったんだけどな………設定では)
「きょ、今日はこの辺にしといてやる!!僕はいつかシルクを手に入れてみせるからな!!」
そう言ってバラトは会場を親と共に後にした。
「ったくシルクさんもあんなやつを相手にしなくていいからなね」
「う、うん」
その時だった…後ろから大きな人影が見えた。
「おぉーシルク〜!ここに居たのか」
(あっ……シルクのお父さんだ……。)
ゲームではシルクの勇者との同行を拒否し頑なに断ったがシルクの上目遣いにやられ…動向を許してしまったシルクお父さん…確か名前はバストロメロ・ガァントンだったけ?。
「あっ……これはこれはオスト様」
「どうも……」
「うちのシルクに何か用でしたか?」
「いやいや特に用はないですよ?ただシルクさんがバラト君に絡まれていたので……」
「チッ……またあのバラトか……そろそろどうにかしないとな」
「え?」
「いえいえこちらの話です」
一瞬裏の顔がでて聞こえては行けない単語がでた気がするが俺はまだ肉体的には子供なので聞いてないことにした。
「それじゃーシルクさんとシルクさんのお父さんいずれまた」
「オスト様もいずれ」
俺はそう言い残すと会場を後にしお城に戻り自室へ戻った。
部屋に入ると俺はドアに向かい魔法をかけた
〘lock〙
と音を遮る魔法
〘遮断〙を使った
俺はすぐベットにダイブをした。
「それにしても挨拶とか疲れたなぁ……ってかリノアはどこに行ったんだ」
俺の記憶のストーリーが間違っているのか?っと思ったがそれは無いはずだ。
俺はあのゲームを何百回とやって来ているし…完全クリアしたぐらいだ。
「まぁ〜貴族に粗相が無かったし結果オーライかな?」
俺はそのまま異世界転生で初めての寝落ちを体験してしまった。
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