第4話 王国騎士団長

パーティの日から前日の今日…俺はこの国…フィルド国の最強の騎士団団長…クリシス・アベリスに剣術を教えてもらう日となり俺は中庭に来た。


「クリシスさんこんにちわ」


「あっオスト様」


赤い髪をしていてポニーテールの髪型でしかもエルフの女の人。


初めて見るエルフをボーッと見ていると赤面をしながらクリシスさんはごほんと咳払いをした。


「オスト様さすがにそんな見つめられたら恥ずかしいです」


「あぁすいません」


「別にタメ口でいいですよ?オスト様は王子なんですから」


「そんな訳にも行きませんって……」


俺は元日本人なのだ……日本は敬語が当たり前みたいなもんだし中々癖は治らないしね


そんな感じに軽いお喋りをしているとクリシスさんは木剣を持って俺に渡してきた。


「ではまずはこれで実力がどんな感じか見ましょうか」


「分かりました」


(なるほどな…実力を測る感じか、なら遠慮なく!)


俺はつま先で砂を蹴りクリシスの間合いに入ったが、クリシスは簡単に反射神経で俺の攻撃をはね返してしまう。


「やっぱり凄いですねクリシスさん」


「な、何ですか!?今の一瞬の間合いは」


クリシスは驚いた様子だった……


「別に普通ですよ?」


「あんなもん普通じゃありませんってば!!」


よくわからなかった俺はまた間合いに入った。


「ならこれならどうです?」


しかしまた攻撃を跳ね返すと予測した俺は1歩後ろに下がるとクリシスさんは木剣を振るが俺の予測不可能な動きをした為びっくりしたのか後ろに後退した。


(流石に剣を握るの初めてだけど前世の頃剣道の動画とか見てたら覚えるもんだな)


俺は元々剣道に興味はあったが高校では剣道はなかった為毎日1時間ぐらいは動画を見ながらいつかこれでヤンキーでも倒したいっと思いからずっと見ていたがそんな日も来なかったけどここで発揮するとはね。


しかしそれを見ていても身体が追いつかないと思った俺は魔法を使うことにした。


(クリシスさんには悪いけど内緒で魔法を使わせてもらうよ)


俺は魔法創作で身体能力強化と自動的に攻撃を跳ね返してくれる魔法…反射リフレクションを創作した。


クリシスさんはこちらを見て様子を伺っている様子だった。その隙に俺は魔法を発動した。


〘身体能力強化〙


〘反射〙


の2つを発動し…再びクリシスさんの間合いに入ろうとしたがそこは完璧にガードされていた為俺はすぐに〘縮地〙を使い後ろに回った。


「これでどうですか!?」


「………っ!!!」


流石この国の最強と呼ばれる騎士様。俺は前世では味わえなかったこの快感を喜んだ。



(何この子!?カリオン様に聞いた話と違う!!!)


ーー一昨日の出来事ーー


「呼び出して悪いね最強騎士団団長クリシス君」


「いえ私は光栄に思います。」


「それで早速なんだけど本題に入ってもいいかね?」


「はい」


それは騎士団団長のクリシスに俺こと…オスト・ベンフォントを剣術を習わしたい為に訓練をさせてあげたいということだったのだ。


しかしクリシスはそれを拒んだ。


「失礼ながら陛下オスト様はまだ5歳と言う話なのですが、、」


「あぁしかしあの子は少しばかり物事がしっかりしている…そろそろ身を守る物くらい覚えさせたいというのが私の判断だ。」


「………」


クリシスは数秒間、考え事をしついに答えを出した。


「分かりました……しかしオスト様は剣を握るの初めての為…わたくしがスケジュールを管理してもよろしいでしょうか」


「それは任せよう」


「分かりました。」



それが陛下とクリシスとの会話だったのだ。


(それなのに何!?オスト様は剣を一切握ったことがないはず…なのに団長のわたしも超える力……凄すぎる……)


クリシスは驚きながらもオストとの剣術についてきていた。


(私はオスト様の攻撃を跳ね返すだけで精一杯なのに攻撃に転換が出来ない。)


クリシスは距離を置き質問をした。


「オスト様はこれが初めて剣を握ったって事でいいんですよね?」


「そうですけどまだ弱いですか?」


「え?いやそういう事訳じゃ……なくて…………」


「それじゃーもうちょっと本気出しますね」


(まだ本気じゃないの!?でもこのままじゃ………今でも私の本気なのに)



クリシスにまだ弱いと思われている俺は少し本気を出してみることにした。


「それじゃー行きますね」


「え?ちょ、ちょっと!?」


俺は目を閉じ魔法を唱えた。


〘縮地〙


瞬時に距離を詰める魔法これは剣を扱う者なら意外と使う魔法だ。

俺はクリシスの後ろに回った。


その瞬間クリシスは即座に後ろに向いたが俺はまた〘縮地〙を使い前に回った。


「これで終わりですクリシスさん」


「え?嘘」


俺はクリシスさんが持っていた木剣を剣で弾き飛ばした


そして、木剣は地面に落ちる……


「嘘、、私が負けた……」


クリシスは膝から崩れ落ちた


「?」


「オスト様!」


「はい?」


「なんですか!?今の技と剣術は!?」


俺はいきなりの質問攻めに混乱していながらさっきのことを思い出してみた。


(……っあ!?やべ!俺楽しすぎてつい力隠すの忘れてた!)


俺は楽しすぎるという欲望に負けてっきり力を少し出してしまったのだった。


「いやあれはえっとですね」


俺は焦りながら返事を考えていると目の前で最強の騎士様がキラキラしながらこちらを見てくる。

俺は申し訳ないという思いを抱きしめながら言い訳をした。


「あれは多分まぐれですよまぐれ」


「そんな訳………!」


「まぐれですよォ〜まぐれ!」


俺は言い訳を一方的にしながら城に戻ろうとした。


「クリシスさんいま3時ですしおやつでもどうですか?」


「え?」


俺はクリシスさんを連れてお城に戻った。

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