第4話
...それから。
現在時刻は四時を過ぎた。
「どうも。ご無沙汰してます。お元気ですか?」
「あぁ。元気だよ。他の子達も。」
ちなみに僕はこの施設に数ヶ月引き取ってもらったことがある。そこで
「今日はとある報告があってですね。」
「?」
「それは」
「うん」
「もう病院に入り浸っていいと。だからもうそちらにもどこにも引き取ってもらえなくなったということです。」
「なるほど。」
よかった。ここで寂しいとか、こっちきてよーとか、泣き言言われるとこちらもどうすればわからなくなるから。
僕との連絡員を
「この報告は...」
「?」
「全員に言った方が良いですか?」
「いや。全員に言っちゃたら、この前みたいに全員でお見舞いに来るから。」
「あぁ...。あの時はほんとすみません...。」
「いや、謝らなくていいよ。あれは僕が軽率にいろいろ言ったことによって起きたから。」
「うん。じゃ、あまり広げない方がいい感じですか?」
「そうだね。あまり広げて欲しくないかな。あぁでも、大人の人たちには報告してね。」
「そうします。」
そうして会話は途切れた。
一息つく。今日は本当に色々あったなぁ、としみじみ思う。
定期検診があり、ここにずっといろと言われ、
「
今家に誰もいないだろうし。
そういえば。
手紙には...
僕のことが好きだったこと
誕生日が近いからプレゼントを選んだこと
わざわざエメラルドの指輪を選んだこと
などが書いてあった。
でも...なんでだろう。なんかおかしいと思ってしまう。いつもは...恥ずかしいから手紙を書いて、プレゼントと渡す。それは良い。いつも通りだ。だがいつもプレゼント関係の話で終わっていた気がする。
それが急に姉妹喧嘩しましたと書くだろうか?
...だめだ...思い出せない。なんせもう十年も経とうとしているのだ。記憶がなくて当たり前だ。だがそれでも...おかしい点はある。
指輪が入っていると言っていた箱を開ける。
すると綺麗な緑色に光る指輪があった。
それを見ながら
「これを買う為の金はどこから...?」
と、呟いた。
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