第3話
...彼女は幼馴染、
...そして
彼女を見て恐怖で身が竦んでいると、彼女はお構いなく病室に入ってくる。
「久しぶりだねぇ。お兄ちゃん。」
「.........。」
「ふふ。恐怖で体が動かないみたいだねぇ。そんなに怖がることないんだけどなぁ。」
「う...うるさい!この...人殺しが!!」
「うるさいのはそっちだよ。まぁでもそんな君も好きだよ。というより人殺しは納得いかないなぁ。」
「...は?あ...あの時突き落としたのはお前じゃねえか!」
「それは君に非があるでしょぉ。君が私を一番に見てくれなかったからだよ。」
慣れない声の大きさで声を出したからか喉が痛んで、呼吸もしずらい。
そんな時。大声を聞いて、
「大丈夫ですか!?
その時僕じゃない声が響く。
「多分...悪夢を見ていたんだと思います。それで私が起こしてしまって。それで気が動転してしまったんだと思います。ほら...汗もかいてしまっているし。」
「な..なるほど。」
「とりあえず冷静になるまで外で待っていますね。渡したいものがあったから来たんだけどなぁ。」
と外に出て行く
やがて、冷静になった僕は言った。
「初めて、
「それは...」
「そ...そうだ。あの女の子呼んできますね!」
と、随分な早口で言った後、そそくさと部屋から出ていった。
そのあとまた彼女。
「それじゃあ。どこから話そうか。」
「まず、お前はなんでここにきたんだ。」
「さっきも思ったけどさぁ。お前じゃなくて、
「...はいはい。じゃ、
「それはこんな状態になった君を見にきたのもあるんだけど。」
人に名前で呼ばせておいて、自分だけ名前で呼ばないのはどうかと思ったが、呼ばれるだけ気持ち悪いので言うのはやめておいた。
「じゃ、なんで?」
「それはねぇ。」
と、持っているショルダーバッグを漁る。やがて見つけたのか、
「これを持ってきたんだよ。」
と、小さな箱を取り出して、僕に手渡してきた。
「なにこれ。」
「見てわからない?指輪。私と結婚して欲しいの。...って言いたいけどこれは私からのプレゼントではないの。」
「じゃ、これは...?」
「そう思っている通り。あの姉貴のプレゼント。」
「なんで指輪なんか...。」
「あぁ、あとこれ。手紙。姉貴の分と私のね。」
「...破ったりしなかったんだな。」
「私もそこまで鬼じゃないよ。まぁ、姉貴の気持ちはいつまでも伝わらず、私を選ぶのが、もう決まっているから。」
「あっそう。」
「むー。反応薄いなぁ。...あー、もしかして照れ隠しかー?可愛い奴めー。」
「うるさいなぁ。」
「...じゃ、私はこれで。可愛い
「はいはい。...またな。もうくんなよ。」
「バイバイ。またくるね。」
と扉を閉めていった。その時、怒気を含んだ暗い声で、
「あの看護師も対象かな。」
と聞こえた気がした。
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