進学校を追放された俺→元女子校に編入しほぼ、ソロでハーレム満喫後に全国模試一位をとったら理事長の態度がおかしいんだが、 掌返しされても手遅れですからwwww

雲川はるさめ

第1話

一年一組の教室内。

高校入学後、暫くしてから実施されたはじめての定期考査にて。


「え、俺、カンニングなんかしてないっすよ先生!!」


「じゃあこれは何なんだ!?」




俺は、あらぬ疑いをかけられていた。


「立て!机の中にあるのはカンペだろう!」


「他にもまだ証拠があるかもしれない」


俺は黙って席を立ち、

無実を証明しようとした。


しかし。


開かれたテキスト、俺が試験官の目を盗んで見ていたと、俺の真後ろの席に座る、

学年一位のイケメンでお金持ちのお坊ちゃんが

「不生の現場を見ていた」と嘘の証言をついさっき先生にしたんだ。


「先生!俺の目の前に座る、山吹くん、

堂々と悪さしてましたよ!」


俺は見ていないのに、

テキストを開いたまま机の中に入れた覚えなどないのに。


嵌められた...!



完全に....!!!!!


後ろのイケメン藤島にっっ!


いつ、その仕込みがされたかは

不明だが、多分、俺が休み時間にトイレに行こうと席を立ったときにやられたんだと思う。


俺は退室させられ、

職員室でネチネチとした説教を食らうことになった。

職員室で。

俺は怒りに震えていた。

冤罪なのに随分な処分が下された。

理事長直々に


「退学処分を言い渡す」などと言われ

目の前が真っ白になった。


「そんな...!!」


「俺、カンニングなんかしてないのに...」


「別にそれだけじゃない。

タバコを吸っていたって噂もあるし、

他校の女子生徒に手をあげたって話も聞いたからだ」


「目撃情報も多数あるし、被害者の女の子

自ら、おまえの名前を挙げて、私の元に訪れ、直々に

厳しく処分(退学などに)してください」と泣きながら言ったんだ」


「俺、そんなことしてません!!」


「タバコ?女の子に悪さ?」


「全く以って身に覚えがないです!」


反論したが、聞いてくれなかった。


俺は職員室を後にして、

放課後、いそいそと帰ろうとしてる藤島を

下駄箱のところで呼び止めた。


「何だって俺のことはめたんだよ...!?」


「こっちはよくわらないうちに、退学処分を言い渡されてさ...!!」


「ああ...。それはおめでとう。

俺的には狙い通りってとこかな...」


藤島は不敵な笑みを浮かべて、

俺に近寄ってきた。


そして言う事には。


「いいか、この高校の一学年に超絶イケメンは俺ひとりでいい。

おまえは俺と顔や中身が似てる。

その整った目鼻立ち、そして、背丈、

仕草、俺とキャラが被っているのが

そもそも気に食わねぇんだ」


「それによ、俺より頭がよさそうなところとか

気に食わねぇ...!先生の質問にすらすら答えちゃうあたり、マジでムカつく!」


「だからな、先日、俺、他校の女子生徒にナンパして断られたから、そいつのこと、頭にきて突き飛ばしちまって怪我させたんだけどよ、

俺とナリが似てるおまえに、

罪を被ってもらったんだ」




「あとなー、タバコも吸ったのは俺だけど、

おまえが吸っていたことにした」


「被害者の女と、タバコの現場を見てた

奴に金を握らせてよ、俺の企み通りに

動いてもらったんだw」


父親がどっかの大企業の社長だとかで、

ボンボンだって噂はあった。


お小遣いも月20万、親からもらってるって

話も耳にしたことがあった。


「すげぇよな。金の力ってのはさ。

人を簡単に思い通り動かすことができるんだ」


藤島は声高らかに笑い、


「じゃな!俺はこれから塾に行かなきゃだからさ」


と捨て台詞を吐いて俺のまえからそそくさと

居なくなったのだった。


俺は。


この時。


携帯の録音機能をオンにしておけばよかったと心底思った。


でも、そんな用意周到なことは

していなくて、


クソォッ....!!


って心の中で悔しがることしかできなかったんだ。俺は仕方なく退学した。

どうせなら家から一番近い高校に編入しようと

思い、今は共学だが元女子校へと転入することになった。


初日。


俺は非常に面食らった。

クラスメイトは女子しかいない。

しかも、何だか俺、モテ期がきた感じだ。

取り囲まれて質問攻めにあい、



中学時代もモテ期があったが、

多分、これ、二回目のモテ期だと思う。

クラスのリーダー格の女が、

俺の真横に来て、騒ぎ出した。

金髪ギャル。

名前は確か、山下カナコ。



「イケメン来たー!!」


「ねーぇ、彼女いる?いなきゃ私と付き合ってよっ!」


「あ、いないけどさ...」


「じゃあさ、今日から付き合お!」


「いや、俺さ。

今は恋愛より、勉強に集中したいっていうか...」


「何言ってんの?ここさ、進学率低いのよ...!

そんな真面目なひとなんてさぁ...いな...」


「いたわ!陰キャ眼鏡女が!」


「ただひとり、変な女が!」


周りの女子みんなが、

教室の壁際、一番後ろに座って、参考書開いてる地味な女を直視した。



「なんかー、進学校受けたみたいだけど、

落ちたのよね。一応、特待生だけど。

勉強しかできない日陰女だよ」


「進学校ってどこ?」


「うーんそこまでは知らないけどさ。

うちの高校は底辺校だからさ。そんな

勉強したって意味ないのにさ。授業のレベルだって低いんだよ。中学生の総復習的なことすんの」


確かに。


数学の授業を受けてみて、ガクッときた。

俺がいままで受けた、数Iの授業とは全然違う。


お遊びみたいな授業内容だった。


先生にしても、やる気がないから、

授業中、寝てる女子を全く注意しない。


俺は

派手目な女子の中から抜けた。

正直言うと。

休み時間に頑張って勉強してる

陰キャ女が気になった。

声をかけてみた。

周りの女子の制止を振り切って。



話してみると、彼女は可愛い声だった。

「真島マヒロだよ、」と自己紹介してくれた。

そして、俺がつい先日まで通ってた

高校を受けたけど、熱が出て落ちちゃったと

話してくれた。

「でも、国立大学に行きたいから塾とか行って

頑張って勉強してるんだ、」

と教えてくれた。



「そっかあ」


「ねぇ。あのさ。勉強教えてくれない?

ここ、分かんなくて」


「あ、うん、いいよ。ここはさ、こーしてさ」


「え、待って、凄い!これ、めちゃくちゃ難しい問題だよ!京大の二次試験に出たやつだよ」


「もしかして、凄い頭いいの??」


「あ、いや、大したことないよ」


「じ、じゃあ、コレも教えて?」


「うん、これはさ、」


「ヤバイ!これだって難関大学の問題なのに」




「ねぇ、将来の夢は?」


「医者かな?でも、この高校じゃちょっと

大学行けないよね、、」


「塾は?」


「うち、貧乏だからさ」


「待って待って!あなた特待生になれると思う!

ねぇ、私と同じ塾行こ!特待生は授業料無料だから!」


俺は。


なんだか、彼女に背中を押されて、

勉強する気持ちになった。


進学校を追放されたから、

もう勉強とかいいやと思ってたのに、だ。

冴えない、と思われてた真島マヒロだけど。

塾で会ったら別人だった。俺は入塾試験の結果から、晴れて特待生となったのだが、

マヒロとの顔合わせの際はやたらとドキドキした。なんでってやたらと美少女だから。

高校にいるときと、塾にいるときとはまるで別人。


マヒロ曰く、

勉強に集中したいし、容姿を妬まれて

昔、嫌がらせにあったことあるから

外見を落としているということだった。


さて。


俺もマヒロも特進クラスに入り、

猛勉強した。



その結果、

全国模試の会場では

やたらと落ちついて試験を受けることができた。


模試後。

その会場で。


俺は突然、かわいい女の子に呼び止められて謝罪された。


「ね、ねぇ!山吹シンジくん!」


マヒロと一緒に帰ろうとしてたとき、

声をかけられた、頭を下げられた。


「あのね、私のせいでほんと、ごめん...」


「その制服、T高校だよね、、?

こんなこと言っちゃ失礼だけどさ、随分、

低い高校に通わなきゃいけなくなっちゃったんだね...」


「えっと、誰だっけ?」


「進学校で一緒だった林ユーコだよ、、

私が藤島くんにお金渡されて嘘の証言を理事長にしたの!

それで、山吹くんの将来を奪ってしまった...」


思い出してきた。

林ユーコは藤島が好きな女の子だった。


「いや、顔を上げてよ、林さん!」


「俺なら大丈夫なんだ!塾で特待生でさ!

えっと、今、俺の隣にいる女の子に誘われて

入塾して、特進クラスで頑張ってる...!」


「だから心配しなくていいよ!

多分、今回の模試でもいい成績残せると思う」


「ううう...」


「本当にごめんなさい...

山吹くん優し過ぎるよ...」


数週間が経ち、模試の結果が発表され、

俺もマヒロも上位にランクインしてた。

塾の帰り道。

偶然にも俺は理事長に会った。

マヒロが俺にすぐとなりにいたけど。


その時、


理事長は謝罪してくれた。

そして、藤島の処分も教えてくれたのだった。

「すまなかった。私が、嘘の証言を信じたばっかりに、君という非常に優秀な生徒を失ってしまった。

戻って来てほしいが、それは叶わない。

君を貶めた

藤島くんを問い詰めたら何もかも白状してくれた。彼は退学にしたよ...」


「林ユーコさんが何もかも話してくれたよ。

カンニングも藤島くんの罠だった、とね」


「まさか、全国模試一位を取っちゃうなんて、な...我が校の名前が君の名前の後ろにあれば、

飛び上がるほど嬉しいのに...」


「君を追放してしまった今となっては、

何をほざいたところで後の祭りだ...」


それだけ言うと。

理事長は肩を落として、俺らの前からいなくなったのでした。



全国模試の上位に、藤島の名前はなかった。

彼は今、ふてくされて悪い仲間とつるみ、不良をやってるって噂で聞いた。


俺は、と言えば。


見た目は地味だけど実は超絶美少女のマヒロと付き合い、高校生活を謳歌してる。


今いる、学校の先生達は、模試後、


俺とマヒロを物凄い、気に入ってくれていた。


「我が校、始まって以来の快挙だよ...!

全国模試、一位二位なんて!!」


それから。

周りのギャルや女子達は。

底辺校でもちょっと頑張ってみようかな?

と思ったらしく、以前より真面目に授業に取り組んでいる感じ。


なによー、なんて言いながらも。

前は授業中、メイクしてたのに、

先生の話に耳を傾ける生徒がでてきた。


さて、そんなギャル達だけど、


俺とマヒロの仲をおとなしく見守ってくれているのでした。




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