第19話 伝説が生まれる
また一つの伝説が生まれる所を、今、垣間見ている。
イーロン・マスク氏という人物がTwitter社を買い取って、乗り込んできた。
そして早速『辣腕』を振るい始めた。
これを乗っ取りだという人たちがいる。
旧経営陣は、残念なことに無能だった。広告を増やすことしか考えなかった。
10年間の間にTwitterをシステムとしては、ほとんど何も発展させられなかったのだ。
そこで彼がそれを買いとることにしたのだ。
資本社会だし、彼が買い取りに必要な全額を「個人で」出して、ポケットマネーで買い取ったのだ。
そこは誰も何も言えない。
そして、彼が乗り込むや、直ちに最高責任者以下、重役たちが全員リストラされた。
そして株式は直ちに、非上場になった。
判る。これから大鉈を振るうのに当たって、上場企業では色々出来ない。制約が多い。
彼はTwitter社をスタートアップ企業に、引き戻したのだ。
(4兆円も払った上場企業を非上場のスタートアップに戻すなんて! 彼以外の誰にも出来ない事だろう)
だから、残したのはほぼ技術者だけなのだろう。
(もちろん事務方も必要な人々は解雇されていない)
まずはスタートアップの状態に戻す。それ故、社員の数も一気に減らしたのだろう。
色々ごちゃごちゃいう人たちは一杯いる。
そして、「彼のお手並み拝見」等と言いつつ、冷笑しながらイーロン・マスク氏が失敗する方に賭けているのだ。そういうツイートもメディアの記事も腐るほど見た。
だが、事業の規模をどの様なサイズにするとしても、「利益」が出るなら、成功なのだ。それと、何の勝算もなく買い取った筈もない。
週80時間、オフィスに縛られて奴隷のように働かされる会社に、優秀なやつなんて残らないよ。等と宣う人々も、大勢、大勢いた。
誰が、残った技術者の給料や待遇が同じだと言ったんだろうね?
優秀な技術者には、当然インセンティヴとして、ボーナスと共に自社株が少しづつ渡されるくらいはあるだろう。
米国のスタートアップなら、よくあることだ。
上場や大企業買い取りで、株を持っていた社員がそれを手放して一気に金持ちになるというのは、よく見られた。最近はGAFAMがすべて買い取ってしまうので、上場がほぼないというだけに過ぎない。
そのインセンティヴは全て彼のポケットから出されるだろう。
3年くらい後に再度上場したときには、その株で大金持ちになれると思えば、頑張り方もかなり違ってくる。
この手の情報は、口外無用の秘密厳守とされているかもしれない。そうした情報は一切外には出ないから、外野は言いたい放題だろうけれど、中の技術者たちは、きっとイーロン・マスク氏の元、一致団結、やるぞやるぞとなっているだろう。
中の技術者たちは、正しくこれから、色んな機能を実装してSNS界を席巻するぜ! くらいは思っているだろう。
彼がこのTwitterでやろうとしている事は、色々あるのだとは思う。
特に彼にとって、最重要事項が「言論の自由を目指したコミュニケーション空間」の構築だ。
しかし、利益が出ないとどうにもならない。
かといって、広告に頼りきるのは駄目だと、彼は言っている。
そこには忖度が生まれるからだ。
広告主と対等である必要があると、彼は言っていた。
その為にはTwitterで利益を出し、クリエイターに配分したいとも言っていた。
利用者から月額課金を取りつつ、映像を作るクリエイターにお金が渡るような仕組みも入れたいと言っていた。ツベのプレ会員のようにしたいのだ。
そうした新しい機能を色々入れたモノが、Twitter2.0になるだろうという事も、どこかで読んだ。
そこでの利用がうまく行けば、ある地点で爆発的にTwitterは伸びていくだろう。
問題は、サブスクを日本のユーザーが選択するかどうかにかかっている。
米国が一番多いのだが、2番目は日本で、ダントツである。
(他の国利用者数は今の所、少なすぎる)
あともう一つの問題は、匿名を認めたままにするかどうか、だろう。
米国や日本で古くから使っている人たちは実名、あるいは著名な方は芸名やペンネームである。
日本でも作家とか漫画家、イラストレーターな人々は皆、ペンネームで登録されている。それ以外では、昔は本名の人も多い。
しかし。
今の日本では圧倒的に匿名なのだ。
この匿名文化をどうするかも今後の分かれ道であろう。
(米国でも、匿名希望者が徐々に増えつつあるらしい)
それに東洋は、日本に限らず同姓同名が多い。
(実はイスラム圏でもたいへん多い。)
例えばローマ字で実名にした時に、同じ名前が多数出てしまう。
コレは、なりすましではないので、なりすまし詐欺IDとどうやって区別を付けるのか?
恐らくこの同一人物であるかの判別問題は、尾を引くかもしれない。
ツイート内容のファクトチェックと同じくらい大変だろう。
これはたぶんBOT対策以上に難しいだろう。
何はともあれ、今私は歴史に残るであろう、伝説になる事態を眺めている。
(まだ続いている宇露戦争もそうだが)
イーロン・マスク氏はi-Phoneで世界を変えたスティーヴ・ジョブス氏とはちょっと違うのだが、世界を変える匂いを常に感じる。
PayPalしかり、テスラしかり、Space-Xしかり、StarLinkしかり。
どれも、その実行時には、実現不可能、ビジネスにはならないと言われた物ばかりである。(彼は他にもいろいろやってるが、まだ成功して表に出てきてはいないものが多い)
今、イーロン・マスク氏がどうにもならない状態のTwitterを再生させ、新たな方向に持ち込んでいく、正にその転換点を見ているのだ。
追記:11/20 本物の天才コードハッカー、George Hotz氏が、直にイーロン・マスク氏にTwitterで連絡してきて、ちょっとやらせろというような事を持ちかけた。
(彼は最初のi-Phoneのi-OS牢破りを最初にやってみせた男で、純粋にコードハッカーである。それ以外にもコードハックに関して多くの実績がある。)
12週間という期間も本人が提示し、イーロン・マスク氏が素早く、会おうというツイートしたところをTwitterで読んだ。
Twitterの古いシステムの中で特に問題になってる、頭の処理部分のリバースエンジニアリングを彼が担当したいというのである。
凄いことになりそうだ。
たった3か月で、かなり問題となっている部分の解析と文書化をやって見せるといい、彼の言葉を保証するようなハッカーたちのツイートがいくつも見られた。
彼ならおそらく12週間もいらないだろうよという言葉すら飛び交う。
契約社員として、彼が解析班の主要人物になる・・・のだろう。たぶん。
(*11/21 どうやら契約社員ではなく、インターン扱いになるらしい。)
すごいスピードで、展開している。
これは同じテックでも、GAFAMでは不可能な展開だろう。
Twitterがつながりを生んで、物語が疾走していく。
これ、本当に現実なのかよ・・・という展開である。
これは将棋の藤井聡太5冠、現竜王がデビューから負けなし29連勝で登場して以来、将棋漫画やラノベ小説でコレやったら、編集にも読者にも呆れられるだろ。作者が馬鹿にされるだろという強烈な活躍を次々見てきた。
これも伝説になるだろう。それにも似た眩暈を感じる。
追記 その2:欧州の事務所を全て閉じて解雇処分というメールを出していたようだ。欧州の社員はTwitterの社内ネットワークから切り離された為に、各国の雇用に関する法律に思いっきり触れてしまったという話も出ていて、提訴だ! となったらしい。欧州の法律によれば、彼らはまだ依然として社員であるとの事。
日本のTwitterーJPの労働争議もまあ、裁判だ。勝ち取るぞとか言い出した弁護士の人も出てきた。
こういっては何だが、おそらくイーロン・マスク氏は、訴訟もずっと闘って来た人なので、お金で解決できる部分は、さっさとお金で解決して先に進むだろうと、私は見ている。
時間のほうが大切。
たぶん。
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