第17話 AI絵に思うことの続き
私がAI絵に対して、感じていたもやもやとか、不気味さの原因がある程度、分かった。
それは、AIはそこに描こうとしているモノの意味を、まったく解っていない事からくる不自然さだった。
だから、「それっぽい線の形や色」を膨大な、ごちゃごちゃした線や小さい色の点で積み上げてくる。
それだけなら、純粋に解像度の問題なのだが、実はそうでは無かった。
そもそも、きちんとした直線とか楕円とか円が絵の中にあっても、それをちゃんとは描けていない。
AIはそれが何なのか分かっていないから、それっぽい物しか出してこないのだ。
そう、直線一つとっても、まともに生成していない。人間が手で描いたなら、定規なり、絵を描くツールの機能などで、シャープに描いて来るだろう所を、全く出来ないのだ。
アクセサリー1つとってもそうなのだ。人間なら、そこは手を抜かずに、きっちりと描く。しかしAIはそれを何故、きっちり描かないといけないのか、本質的に解っていないので、それっぽい物しか、生成できない。
例えば大きな人と、遠景にやや小さい人を描かせると、AIが描く小さい人は、破たんしている事が分かる。下手をすると人間であるかすら、怪しい。
例えば、人間の後ろに半分以上隠れてしまう物体があって、それが左右に見えているとして、それを人間が描いたものなら、その「後ろに置いたモノ」が何なのか分かって描いているから、ちゃんと意味が通じるというか、納得性のある絵が描かれる。
AIはそういう事が出来ない。
そういう一貫性が全くないのがAIだった。
やはり、「神は細部に宿る」。意味が解っていないAIは、人間では絶対にしないミスをあちこちでやらかす。
それはチェスや囲碁、将棋のような、手段を択ばずに勝てばいい、というような中での自動学習と、「絵」は根本的に異なる。という事である。
出力する意味が分からずに、生成されている「絵らしきもの」に価値を見出すことは、私は出来ない。
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