第15話 ルビ

ルビについて思う


 最近ネットの小説を見ていて、気になってしょうがないのは、みんなルビを振らない。いや、全部が全部ではない。振ってる人もいる。最初の方だけ振る人もいる。

しかし、多くの場合、人名にルビを振らない作者たちばかりだ。

一般的な読み方をしない、あるいは名前に普通はそんな漢字を使わない、と思しき場合でも、ルビを振る作者は僅かである。

更に言えば、架空の地名が登場する事は、ままある。実在の地名を使いたくない作者は、架空の地名を用意する。しかし。この地名にルビが振られておらず、読めないときがあるのだ。作者は、もちろん自分が考えた地名だから、読めているのだろうけど、読者はそうではない。ということを失念しているようだ。


 ルビを振るのがそんなに大変なんだろうか。何処のサイトでも、まず|でその後に漢字をおいて《》でくくった中に文字を書けば、それが漢字でもカタカナでもなんでも、例えば・とかでもルビになる。漢字の直後に()でもルビになるサイトもいくつかあるが、全部ではない。漢字の直後に()をそのまま置きたい場合は|()でそのまま表示される。これも、全てのサイトがそうではなく、()でルビになるサイトだけだ。


 余談ではあるが、多くのサイトで強調に使う文字の上の・(なかぐろ)だが、カクヨムでは専用の物が用いられる。この専用の記号と表記方法はここカクヨム専用といっていい。

他のサイトでは用いられていないので、他のサイトにもマルチで同時投稿する人は、気を付けられたい。


逆に、マルチで彼方此方投稿してる人は、そんなの気にかけてられないよ。一々、そういう装飾はめんどくさいとか言う作者も多いのだろうか。

 

 しかし、人名が昔から割とある物なのか、ここ20年くらいでどんどん出て来たキラキラネームなのかで、全然違う。

更に言えば、このキラキラネームが周りにいた人、あるいは本人がそういう名前だという人と、そうではない、自分の周りや学校にキラキラネームがいなかった人だと、同じ世代でも、名前が直ぐに頭に入るか否かにはかなりの差が出て来る。

 

 そういうことを全然考えてもいないのだろう。名前に一般的な漢字ではない物を平然と使って、ルビが無い。

 

 最初に登場人物として全員紹介して、名前とルビが振られているケースもあるが、そういう作者は少数派だ。推理物とかホラー物に見られる。

 

 物語の中で、登場した最初の1回だけルビを振る作者も時々見かける。

名前にルビを振る作者で多いのはこのケースだ。

しかし、それが30話、50話となってくると、しばらく投稿する側も読む側も期間が空いて、さて最新話を読むかとなった時に、誰だっけ?この読めない漢字の人。ってなる。

仕方がないので、最初の方から、その人が初登場する話までをざっくり斜め読みして、ルビを探す羽目になる。

毎回こんな調子だと、もうこの作品は読むの止めるか。という事で追いかけるのを辞めてしまった小説もままある。


 時には作者が名前を間違えて変換したケースもあって、前振りも気配も無しに、新しい兄弟姉妹が出て来たのか、変換を間違えたのか、判断に苦しむことさえ、時々ある。

作者の方が自分の作品を読み直していないのと、ルビを振っていないから、間違いに気がつかないのだ。

ルビを振るには、その漢字をちゃんと囲わないといけないので、そこを見ることになり、名前を間違えていれば、すぐに気が付く事だろう。



 こういう物も現代物小説の難しさの一つなのだろうか。



 ちなみに、とても親切な作者だと、1話ごとに、その中で登場した、これは読みが難しいと判断した漢字、或いは名前にはルビが振られている。

中には、難しいなと作者が判断した漢字と名前は出現する場所全てにルビが振られている場合もある。


 ああ。この作者さんは、解ってるな。とか思う瞬間でもある。



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