夜の学校、徘徊する少女、火事

 これは小学校中学年ぐらいのときに見た夢です。なんだか小学生のときってやたら怖い夢を見る気がしますね。


 夜、僕は校舎にいた。二階の階段の踊り場。廊下の向こうから小さな少女がゆっくりと歩いてくる。(ホラー映画に出てくる不気味な西洋人形みたいな見た目です。いきなりここから始まりますが違和感は一切持ちませんでした。)

 どんどん少女が近づいてくる。僕の心臓はバクバクいっていて痛かった。どうしようどうしようと考えていると傘立てが目に入った。傘が一本だけ置いてある。僕はそれを手に取り、壁にぴったりと身体を寄せ、じっと息を殺した。

 少女がもうすぐここを通る。顔は出せないので足音を頼りにタイミングを計る。あと少し……

 今だ!僕は勢いよく傘を振り上げ、少女の頭目掛けて振り下ろした。

 外した。スカッとこの距離で外した。そして少女はこちらを見て口が裂けるほどに ニィっと笑って……た、食べられる!

 目が覚めると校庭にいた。校舎が燃えていた。周りに先生や消防士がいた。僕は校舎に走り出した。周りの大人がやめなさいと声をだしていたが、僕は聞かなかった。


 ここで目が覚めました。私は昔から不器用で鈍臭かったんですよね。近距離の不意打ちで外す、夢の中ですらうまくいかないなんて……というか階段の踊り場に傘立てはないんですけどね。まったく不思議ですね。最後燃え盛る校舎に突っ込んでくって何を考えてるんですかね。もしかして少女を助けたかったのですかね、それは無いか。

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