カクヨムコンに予選落ちしたので原因を分析してみた~物語編~

みそたくあん

分析結果①

 特にやりたい前振りもないから、端的に結論からいこう。


 拙作がカクヨムコンで予選落ちした理由、それは偏に


読者層ニーズに合致していなかった』


これに尽きる。

 詳細については以下参照のこと。

 詳細な分析結果と対策については箇条書きにて文末にまとめてあるので、結論を急ぐ方はそちらへどうぞ。



 詳細分析の前に、これが応募した拙作である。異世界転生ファンタジー物だ。

 読んでも読まなくても問題はないが、読んでいただけると後の分析結果がより分かりやすいと思われる。


草転生www

https://kakuyomu.jp/works/1177354055500082423


 内容自体は悪くないと自負している。正直、当選した他の作品に比べて劣っているとは全く思っていない。当然だ。面白いと思って投稿しているのだから。

 が、それでも落選したのには理由がある。無いなら当選している。

 その理由について分析したものが本稿である。

 ただし、本稿は物語について分析したものであり、その他要因についての分析ではない点にご留意いただきたい。その他要因についての分析は、気が向いたら投稿する。



 では早速始めよう。まずは前提条件の解析から。

 この予選落ちというのがどういう条件で発生するのか、そのシステムを見ることにする。

 予選の当落は獲得した読者、その評価点(星)の多さで選出されるらしい。相互評価などの不正を排除した修正が入るので必ずしも星の数そのままではないが、当選作を眺めたところ、概ね星の数で選出されているようだ。

 この星の数が多いということは、読者数が多いということであり、それはすなわちカクヨムの読者層にマッチしているということでもある。ニッチなユーザー層から熱烈な支持を受けても、ニッチ層の上限に達してしまえばそれ以上は伸びない。うむ、正に拙作がそれだ。


 では、このカクヨムの読者層とは、そのメイン層とはどういう典型的ユーザー像ペルソナなのか。それを定義しよう。


 出典は覚えていないが『十代後半から二十代前半の男性』という表記がいずこかにあったと記憶している。気になる方は各自で調べて欲しい。

 この層ということは、凡そ高校生から大学生というところか。なるほど、そう考えるとランキングに十八禁すれすれの半アダルト小説が多いのも肯ける。やりたい盛りだ。

 しかも、小説を読むということは、漫画しか読まないような精神的低年齢層でもなさそうだ。ある程度の教養もあるのだろう。読書手段はスマホまたはタブレットと思われる。

 以上から、この層をメインターゲットとした場合の、拙作に足りていない要素を以下に分析していく。



①ヒロイン不在

 拙作は主人公の一人称を主体に物語が進んでいく。男性格だ。

 ストーリーは十万字を超えたが、主人公の周りにヒロインは登場していない。これが大きな障害となったと思われる。

 主人公が男性なら、読者は当然、自己を投影する。そのときヒロインが居ない、ヤレないのでは話にならない。

 序盤、できれば三万字までにメインヒロインを登場させておくべきだ。文中にヤレそうな雰囲気を臭わせておくと、さらに効果的だろう。

 そして後々にはハーレムを構成できれば望ましい。若い男の夢だ。異論は認めるが撤回はしない。


②ネタが古い

 筆者の作品の特徴として、アニメやゲームなどからの引用が多い点が挙げられる。拙作でも多用されている。パクリではない、リスペクトだ。

 そのネタが昭和に偏っている点が問題だと考えられる。十代から二十台ということは平成生まれだ。昭和のネタが通じるわけがない。

 しかも中には、筆者ですらうっすらとしか覚えていないようなネタまで使用されている。対象が五十代から六十代なら分かるだろうというネタだ。

 これでは若者がついてくるわけがない。もっと現代のネタを使用するべきだ。


③主人公が弱い

 異世界ファンタジー系ネット小説のメインストリームはいくつかあるが、今のトレンドは大きく分けて『俺Tueee』と『ざまぁ』の二種類であると思われる。

 拙作も大きく分けると『俺Tueee』系なのだが、スタート時点ではウサギにすら勝てない最弱である。

 ストーリーが進むにつれ成長して最強へと駆け上がっていくわけだが、『苦労したくない、努力なんてしたくない、最初から最強で、身に掛かる理不尽を楽勝で叩きのめしたい』と考える若い男性には受け入れがたい主人公像であるのは間違いない。

 かつても今も『努力、友情、勝利』というジャンプ方式は王道ではある。しかし、今のネット小説界では『最強、蹂躙、楽勝』もまた王道なのだ。



 以上の分析をまとめると、


①ヒロイン不在

②ネタが古い

③主人公が弱い


となる。

 これに対する解決策は、


①三万字までにヤレそうなヒロインを登場させる

②現代のネタを使う

③最初から主人公を最強にする


である。②は無くてもいい。

 これがカクヨム読者に受ける作品の要点だ。このような作品に心当たりのある方は多いのではないだろうか?

 これに何かひとつ独自性を付け加えられれば、カクヨムコンの予選を通過できる作品になるかもしれない。次回に応募しようと考えている方は、記憶の隅に置いておくといいかもしれない。


 でも筆者は書かない。なぜなら、それを面白いと思えないから。他所は他所、うちはうち。

 そんな内容で大ヒットした作品を筆者は知らない。

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