第6話

「でも確認するって言っても、どうすればいいんだろう」

固有魔力はステータスにはのってないからな。

「魔力を放出すればいいんじゃないか」

確かにそうかもしれない。

「じゃあいくよ。」

言い終わると僕は体の中にある魔力を放出する。すると、

『ふぁあ~。やっと出れた。』

この中のだれのものでもない声が聞こえたと思ったら突如、魔力が渦を巻いて形を作っていく。

魔力の渦が収まるとそこには

『あんたが俺の宿主か?』

金髪に碧眼の青年が立っていた。

「君は誰?]

率直な疑問を投げかける。

『ああ?俺か?俺はお前の魔力だよ。説明になかったか?』

そういえば、固有魔力の説明書きに‘‘魔力が特殊な能力と自我を持ったもの‘‘て書いてあったような…。

「君が僕の魔力?」

『さっきそういったろ、2度も言わせんなよ』

めんどくさそうな顔でそう言う魔力さん(仮)

ちなみに、父さんたちは固まっている。まあほっといたら戻ってくるよね。

「じゃあ君は何が出来るの?」

すると魔力さん(仮)は考えるようなそぶりを見せ

『俺はお前に影響のあるものを無効化できるが…、いまはお前のレベルが1だから、石ころが当たってもケガをしないって程度か』

確かにレベル1ならそれくらいか。

「それとお前とか君だとなんだか落ち着かないから名前を教えてくれないかな?」

すると魔力さん(仮)は

『何言ってんだ。俺には名前はないぞ』

「えっ、なんで…」

『あのな、魔力が名前なんか持ってるわけないだろ』

「…確かに。じゃあ今から名前を決めようよ。父さんたちもいい案はない?」

今まで固まってた父さんたちも今の言葉で我に返り

「はっ、俺はどうしてたんだ」

「なんかすごい夢を見たようね」

母さん夢じゃないよ…。とりあえず父さんたちに今の出来事を説明した。

「にわかに信じがたいが、今は置いておこう」

「ええ、そうね」

「じゃあ、名前を決めようか」

それからしばらく考えると…

「ライトってのはどうかしら。その髪の色とも合うんじゃない」

確かに金髪の魔力さん(仮)にはちょうどいいかもしれないな。

「魔力さん(仮)もそれでいい?」

『お前!内心そんな呼び方してたのか!』

あっ、口が滑った。

「とりあえず、この名前でいい?」

「はぁ、もうそれでいいや」

つっこむのもめんどくさいとばかりの返答だ。

「君の名前はライト、僕の名前はクリス。これからよろしくね」

『おぉ。よろしくな、クリス』






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