第5話番外編、BWの日常
吾輩はネコである。
美しい女性達に色んな事をしてもらいたい。
例えばドS系金髪美女に
「ほら、猫みたいに舐めなさいよ」
なんて言われながら足を舐めたい。
「し、しかし姫!猫の舌は糸状乳頭と呼ばれる突起物があり舐められると痛いでござるよ?」
なんて浅はかな知識を披露し
「うっさいわね!!オタク特有の早口やめなさいよ!!」
なんて言われて思いっきり綺麗な生足で顔を蹴られたいでござる。
い、いや黒髪ツインテールの年下おんにゃのこに
「おにーたんは、こんな事されるのが好きなの?」
と、冷めた目で見られながらツインテールで首を絞められるのもアリだ…!!
逆に年上のお姉様に
「私みたいなオバサンでも良いの?」
なんて言われながら
「そ、そんな!オバサンなんて……とても綺麗ですよ」
と、フォローを入れた後に筆下ろしされるのもアリだ!!!
そんな妄想を常にしている健全な中学3年生!
目元が前髪で隠れるほどの長髪で眼鏡をかけた痩せ型の如何にもな見た目だ!
なんて自分で言って切なくなる?…いや、そんな事無いでござる!
今日も今日とて拙者はスマホを持ち美女達のオフショットを撮るでござる。
我が校、
我輩の美女図鑑のNo.1にも記されている。
スラリと伸びた綺麗な黒髪は肩まであり艶がありホッペをスリスリしたい。
顔立ちは女優ともタメを張れる。いや、むしろ一般人で居ていい顔じゃない!各事務所のお偉いさんは何故この子を発見出来ないのか不思議なぐらいだ。
スタイルもモデル体型で綺麗なシルエットをしている。胸は成長途中と言う事で目を瞑ろう。
拙者と季節殿は同い年なので中1の頃から見ていた。
他にも可愛いと思える子は居るのだが、女優と一般人を比べて一般人が勝てるか?と言う事でござる。
この3年間、季節殿以上の逸材は見た事無かった。
趣味で始めた東央中の裏ミスコンでも、かなりの逸材は居たが季節殿を越える事はなかった。
しかし、今年の裏ミスコンで大逆転が起こった。
その前に裏ミスコンとは何か?の説明をした方が良いのだろうか?
拙者は個人でサイトを作った。
そのサイトは東央中の在学生、それも男しか入る事が許されない様に設定してあり東央中を卒業したら入れなくなる。
来年には拙者も東央中を卒業するので、拙者も入れなくなる。まあ、管理人特権で多少の融通は効くが拙者の後継者に全てを任せる形になるのだ。
…と、そんな話はどうでも良いか。
この拙者の作ったサイトに東央中裏ミスコンと言う掲示板があり、拙者が1年の間に撮った美女達のオフショットを投稿しイイワネ!の数でランキングを作ると言うコンテンツだ。
因みに東央中には表のミスコンもある。
どうやら東央中はモデルとかの事務所と繋がってるらしく、その事務所の人達向けに始めたミスコンらしい。
なら何故、今だに季節美衣子が一般人の枠に居るのか!?
噂では何社にもスカウトされたが全て断ってるらしい…。
本人の希望なのかもしれないが、実に勿体ない!!!
……と、また逸れてしまったでござるな。
そんな感じで、この2年間は表も裏も堂々の1位を季節殿は取っていたのでござるが――
――あの日の事は良く覚えている。
表も裏も9月に開催する。
夏休みが明け、運動会も終わり普通の学校では3学期に向け静かな季節が始まる頃。
気温も涼しくなり生活しやすくなる頃。
東央中のもう一つのお祭り、ミスコンが始まるのだ。
拙者は、今年も季節殿の1人勝ちだろうと思いながらネタ探しに回っていた。
2組の
バスケ部の主将で、ショートカットの運動系美女。
美女ではあるが、万年生理なのか常に怒ってるイメージがあり、男ウケは悪い。
だが、そんな前川佑月が校庭に迷い込んだ子犬と戯れあっている。
そんなワンシーンを拙者は物陰から撮る。
とても笑顔が可愛い女の子の写真だ。
日頃のイメージとのギャップもあり、これはそこそこ行くはずだ。
次に見つけたのは5組の
一言で言えばガリ勉。常に勉強をしている。
良く見れば美女なのだが、どうも近寄りにくい雰囲気のせいで男ウケはしない。
そんな夕南由奈が何もない廊下で躓きそうになり赤面しながら周りを見渡してる。
そんな瞬間を拙者は物陰から撮る。
こちらも普段のギャップからそこそこ人気は得るだろう。
……しかし、どれもこれも季節殿には敵わない。
毎年2位以下は変動する所を見ると季節殿が、どれほど凄いか分かって貰えるでござろう。
「今年も季節殿でござろうな…」
そんな独り言を言いながら学校内を彷徨いていたら微かに歌声が聴こえた。
「はて…どこからだ?」
拙者は耳を澄ます。
拙者は目が悪い分、耳には自信があった。
いや、と言うか目が悪いからそう進化したと言うべきなのだろうか。
だからこそ歌声のする場所を見つけるのも容易かった。
「しかし…屋上でござるか…」
屋上に通ずる扉は1つ。
ここから入ると間違いなく拙者の姿は見られるでござろう。
ならば窓から壁伝いに屋上に昇ろう…とも考えたが、それもそれで注目される。
「困った困った」
どこか屋上を通らなくて屋上を見れる場所あったでござろうか?
……
……
むむっ!?
そう言えば東央中には、近々壊される予定の旧校舎がある。
そこの屋上からなら見る事が出来るのでは??
東央中は10年程前の地震で校舎が崩れた過去がある。
7割程崩壊したが3割ぐらいは残った。
勿論危ないので立ち入り禁止にはなっているが、残ったのが非常階段の区画の部分だったから
「簡単に入れちゃうんだな〜」
こうして拙者は旧校舎の非常階段を登り屋上へと到着する。
そして歌声の聞こえた屋上を見ると1人の女生徒を発見する。
「あれは…誰でござるか?」
季節殿と違いない程の綺麗で長い黒髪。顔立ちは幼い感じがあり歳下かと思えた。
そして何よりあのデッカい物!あれは――
「おっぱいでござる!!!おっぱいでござるぞ!!」
あれほどの物は見た事が無い……ん?いや、待て…
拙者はこう見えてもオッパイマスターである!大抵の女はオッパイで認識してる。
あのオッパイは見覚えがある。
そうだ……もしや彼女は
両サイド三つ編みにし眼鏡をかけた絵に描いたような地味な女。だが、オッパイがデカイと思った事がある。
1人の時は髪をほどき眼鏡も外してるのか…めちゃくちゃ美人でござるな〜
ん?先守…??
そうか確か2年先輩に似た人がいた。
氷の様に冷たい感じの先輩が…。
その先輩の名も先守だった筈…そうか、その先輩は氷姫なんて呼ばれていたが、姫と付いてるだけあって美人だった!間違いない!先守冬子と氷姫は姉妹だったんだ。
「そうなると…ふひひ」
こうして先守冬子は裏ミスコンで1位を取った。
それと同時に吾輩の調査対象にもなったのだ。
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