第2章 その6
そしてセンター試験を迎え、何度となくセルフびんたをかまして気合を入れ直そうとしたが、何とか対応できたのか、ほとんどどのようにしてこの二日間を過ごしたのかまるで覚えていない。
という緊張状態・疲労困憊を経て月曜日学校へ。センター試験の自己採点をするためだ。
教室で配られた解答と、持って帰って来た、解答番号にチェックを入れた問題冊子を見比べる。世界史、現代社会、国語、英語、数学ⅠA、数学ⅡB、そして生物。自己採点終了。
「あ……」
合計点をはじき出して思わず零れた声。自己最高の七割越えの点数だった。あんな状況の中で、よくもまあ自己新記録を叩きだしたものだ。英語なんて、今まで良くて一二〇点だったのが、いきなり一四八点だって。あ~、ちょーキモチイイ。というよりも、どうなってんだ、俺。ある意味不気味だ。
自然、視線が青海さんを追う。俺よりも化学がある分であろうか、まだ顔を下げたまま作業中のようだ。
なんだかんだ言って青海さんのことだ。俺が懸念するような余地はないだろう。
担任が大手予備校のセンター試験の結果判定をする記入表の回収を告げ、チャイムが鳴る。今日はこれで学校終了である。
青海さんの席まで行こうかと立ち上がって見た。が、女子たちが青海さんを囲っていたので行くのを止めた。塾もあったので、そこで話に上がるだろうからと、一旦、帰宅することにした。
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