第176話 レベル13

「やっとついた〜」

「お疲れ様でした」


全部出し切った俺の身体は鉛の様に重く、来る時はあれほど軽快だったロードサイクルがなかなか進んでくれなかった。


「凛くん、今日はお風呂に浸かってゆっくり休んでくださいね」

「ああ、さすがに疲れたからそうさせてもらおうかな」

「じゃあ、すぐに用意するので凛くんは座って休憩しておいてください」

「うん、助かるよ」


葵の言葉に甘えて、床に座らせてもらう。

ドラゴネットやっぱり強かったな。

神木さんはあっさり倒してたけど俺じゃギリギリだった。

Eランクの自分がCランクに位置するドラゴネットを相手にしたのだから当たり前だが、ドラゴネットと戦ってわかったがやっぱり神木さんとの距離はとてつもなく遠い。

それと今気がついたが、ドラゴネットを倒して経験値は入ったはずだけど……

ステータスを確認するとやっぱりレベルが上がっていた。

それはEランクがCランクのモンスターを倒せばレベルも上がるよな。


レベル13


スキル  『フェイカー』《ウインドブレイク1》〈《ボルテックファイア0》《瞬光0》〈《アイスブラスト2》〉《風舞1》


レベルが13へと上がり0だったはずのスキル使用回数が1に増えているところがある。

今回のレベルアップで回数が1回増えたということだ。


「あ……」


スキルの使用回数が増えるのは今までと変わらないのでなにもおかしい事はないが、よく見るとまたステータスにおかしな箇所が増えている。

《ボルテックファイア》の《 が片方だけ増えて2重になっている。

まただ。

以前アイスブラストに起こったのと同じ現象。

なにかのバグなのかと思ってたけど、もしかして《ボルテックファイア》にも同じ事が起こるのか?

《アイスブラスト》は《 が2重になった事で発現するスキルが変様して明らかに威力が増している。

俺のスキルに中でも上位の威力を誇る《ボルテックファイア》がもし同じ様な変化を起こすなら……

まだ可能性にすぎないが、そうだとするなら今よりももっと強くなれるかもしれない。

上位ランクのモンスターが襲ってきたとしても葵を守れるだけの力が手に入るかもしれない。

そんな事を考えているうちに瞼が重くなってきてしまった。

まずい。

葵がお風呂の用意をしてくれているのに今眠ってしまうのは良くない。

そう頭ではわかっているのにボ〜ッとしてきて段々頭も回らなくなってきてしまった。

あぁ……

本当に心身共に限界だったらしく、抵抗虚しく俺はあっさりと意識を手放してしまった。



お知らせ

ほぼ一年ぶりの投稿になります。

待ってくれている方もいるようなので思い立って書きました。

続くかどうかはわかりませんが、とりあえず次話は書いてみようと思います。

モブからが忙しく、ガチャを投稿するのが精一杯なのでごめんなさい。

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